今シーズンから、UEFA主催の大会として、“UEFAカンファレンスリーグ”が新たに始まりました。
ヨーロッパでの大きな大会と言えば、まずUEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグが思い付く方は多いですよね。
今回調査したUEFAカンファレンスリーグは、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに次ぐ大会として創設されましたが、このUEFAカンファレンスリーグについては、日本でもTV中継がなく、いまいちどういう位置づけなのか、よく分からない方もいるかもしれません。
ということで今回は、UEFAカンファレンスリーグについて
- UEFAカンファレンスリーグとは?
- 出場権
- レギュレーション
- まとめ
という順にお伝えしていきます。
UEFAカンファレンスリーグとは?
UEFA主催のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに次ぐ、第3の大会です。
各国リーグの中堅クラブ、カップ戦優勝クラブ、チャンピオンズリーグ予選敗退クラブなどが参戦して行われます。
創設背景
このカンファレンスリーグの創設の目的は、5大リーグとの格差是正を図ることです。
近年、チャンピオンズリーグ、またヨーロッパリーグで上位に進出するクラブは、プレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、セリエA、リーグアンの5大リーグのクラブに集中し、カップ戦の賞金や放映権料などの収益も5大リーグに集中しています。
過去5シーズンのチャンピオンズリーグ成績
時期 | 優勝 | 準優勝 | ベスト4 | 5大リーグ以外の 最上位成績 |
20-21 | チェルシー | マンチェスター・シティ | パリSG、レアル・マドリード | ベスト8(ポルト) |
19-20 | バイエルン・ミュンヘン | パリSG | ライプツィヒ、リヨン | グループステージ敗退 |
18-19 | リバプール | トッテナム | アヤックス、バルセロナ | ベスト4(アヤックス) |
17-18 | レアル・マドリード | リバプール | バイエルン・ミュンヘン、ローマ | ベスト16(シャフタール他) |
16-17 | レアル・マドリード | ユベントス | アトレティコ、モナコ | ベスト16(ポルト他) |
過去5シーズンのヨーロッパリーグ成績
時期 | 優勝 | 準優勝 | ベスト4 | 5大リーグ以外の 最上位成績 |
20-21 | ビジャレアル | マンチェスター・ユナイテッド | アーセナル、ローマ | ベスト8(ディナモ・ザグレブ他) |
19-20 | セビージャ | インテル | マンチェスター・ユナイテッド シャフタール | ベスト4(シャフタール) |
18-19 | チェルシー | アーセナル | バレンシア、フランクフルト | ベスト8(スラヴィア・プラハ他) |
17-18 | アトレティコ | マルセイユ | ザルツブルグ、アーセナル | ベスト4(ザルツブルグ) |
16-17 | マンチェスター・ユナイテッド | アヤックス | リヨン、セルタ | ベスト8(アンデルレヒト他) |
今シーズンも、CLそしてELもベスト4まで進みました。
5大リーグ以外のクラブで勝ち残っているのは、CLでは0、ELではレンジャースのみとなっています。
そして、5大リーグ以外のクラブは、高額の移籍金を得るために5大リーグに自チームの主力選手を移籍させる流れがあり、経済的にも実力的にも、5大リーグとそれ以外のリーグとの格差はより拡大しています。
第1回大会は?
2021年9月17日にグループリーグが開幕し、ノックアウト・ステージ、準々決勝、準決勝まで進んでいます。
対戦カードは以下の通りです。
It’s quarter-final week 🍿
Who’ll win on Thursday?#UECL pic.twitter.com/zyIF6IBTJN
— UEFA Europa Conference League (@europacnfleague) April 4, 2022
準々決勝
1stレグ
月日 | 対戦カード |
4/8(金) | フェイエノールト(オランダ) 3 vs 3 スラヴィア・プラハ(チェコ) |
4/8(金) | マルセイユ(フランス) 2 vs 1 PAOKサロニカ(ギリシャ) |
4/8(金) | ボデ・グリムト(ノルウェー) 2 vs 1 ローマ(イタリア) |
4/8(金) | レスター(イングランド) 0 vs 0 PSV(オランダ) |
※日本時間
2stレグ
月日 | 対戦カード |
4/15(金) | スラヴィア・プラハ(チェコ) 1 vs 3 フェイエノールト(オランダ) |
4/15(金) | PAOKサロニカ(ギリシャ) 0 vs 1 マルセイユ(フランス) |
4/15(金) | ローマ(イタリア) 4 vs 0 ボデ・グリムト(ノルウェー) |
4/15(金) | PSV(オランダ) 1 vs 2 レスター(イングランド) |
※日本時間
#UECL ベスト4が決定📢#ヨーロッパカンファレンスリーグ の4強が出揃う。堂安所属のPSVは敗退、 #レスター と #ローマ が準決勝で激突。#フェイエノールト と #マルセイユ も決勝進出を争う。https://t.co/OPI11nCC0F pic.twitter.com/49lLKCU0iZ
— GOAL Japan (@GoalJP_Official) April 14, 2022
やはり出場枠は少ないですが、UEFAランキング上位リーグのクラブは残っていますね。
UEFAランキング下位のクラブでは、ノルウェーのボデ・グリムトが準々決勝まで残っています。
ボデ・グリムトはグループ・ステージでローマに6-1で大勝し、ベスト16プレーオフでもセルティックに2戦合計で5-1と、強力な攻撃力を発揮しています。
グループ・ステージで大勝したローマと再び対戦することになりましたが、やはりローマの壁は厚かったですね。
また、堂安選手が所属しているPSVも残っていましたが、準々決勝でレスターに力負けしてしまいました。
ただ、こういったUEFAランキング下位リーグのクラブが5大リーグのクラブと同レベルの戦いが出来ることこそ、このカンファレンスリーグに期待されていることではないでしょうか。
日本時間5月26日に行われる決勝に進み、記念すべき第1回大会の覇者になるのはどのクラブか、楽しみですね。
準決勝
1stレグ
月日 | 対戦カード |
4/29(金) | レスター(イングランド) 1 vs 1 ローマ(イタリア) |
4/29(金) | フェイエノールト(オランダ) 3 vs 2 マルセイユ(フランス) |
※日本時間
2stレグ
月日 | 対戦カード |
5/6(金) | マルセイユ(フランス) 0 vs 0 フェイエノールト(オランダ) |
5/6(金) | ローマ(イタリア) 1 vs 0 レスター(イングランド) |
※日本時間
準決勝に進んだチームがそれぞれイングランド・イタリア・フランス・オランダとバラバラの国の戦いになったのは面白かったですね。
その中でも、ヨーロッパのリーグとしては、今あまり勢いがないイタリアのローマとオランダのフェイエノールトになったのは、何か意地の様なものを感じてしまします。
決勝
月日 | 対戦カード |
5/26(木) | ローマ(イタリア) 1 vs 0 フェイエノールト(オランダ) |
※日本時間
という事で、UEFAカンファレンスリーグの初代王者は、ローマが勝ち取りました!
#UECLfinal
欧州カンファレンスリーグは25日、アルバニアのティラナで決勝が行われ、#ローマ(イタリア)が #フェイエノールト (オランダ)を1-0で下して初代王者となった。前半にザニオロが決めた1点を守り切り、欧州連盟(UEFA)主催大会で初めて優勝した。 pic.twitter.com/j01REnECN1— Virtualia (@virtualiaweb) May 26, 2022
出場権は?
UEFAカンファレンスリーグの特徴は、UEFAランキング下位のリーグにより多くの出場枠が与えられることです。
- UEFAランキング1~5位:1
- UEFAランキング6~15位:2
- UEFAランキング16~50位:3(※リヒテンシュタインは1)
- UEFAランキング51~55位:2
さらに、そこにチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの予選敗退組が入り、予選・プレーオフを行い、本大会出場32チームを決定します。
UEFAランキング1~5位のクラブは予選プレーオフから参戦し、予選を勝ち上がってきたクラブ、ヨーロッパリーグ予選敗退組とプレーオフを戦います。
そして、プレーオフを勝ち上がった22クラブと、ヨーロッパリーグ・プレーオフで敗退した10クラブの32クラブが4クラブごと8グループに分かれて、グループステージを行います。
ノックアウト・ステージ・プレーオフでは、グループステージ2位とヨーロッパリーググループステージ3位のクラブが対戦し、勝ち残った8クラブとグループステージ1位の8クラブでノックアウト・ステージを行います。
従来までは、UEFAランキング30位以下のリーグは、国内リーグのチャンピオンしかUEFA主催のカップ戦に出場出来なかったのですが、カンファレンスリーグではUEFAランキング30位以下のリーグに、より多くのクラブに出場枠が与えられています。
ちなみに5大リーグですが、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガは6位のクラブに、リーグ・アンは5位のクラブに、出場権が与えられます。
プレミアリーグはカラバオカップの優勝チームに出場権が与えられますが、今シーズンはリバプールがカラバオカップを制覇したため、おそらく6位または7位のクラブに出場権が与えられることになるでしょう。
レギュレーションは?
大会日程
カンファレンスリーグは以下の日程で進められます。
- 予選1回戦:7月初旬
- 予選2回戦:7月下旬
- 予選3回戦:8月上旬
- 予選プレーオフ:8月中旬~下旬
- グループステージ:9月~12月
- ノックアウト・ステージ・プレーオフ:2月中旬~下旬
- ノックアウト・ステージ・ベスト16:3月中旬
- 準々決勝:4月上旬~中旬
- 準決勝:4月下旬~5月上旬
- 決勝:5月下旬
ほぼ、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグと同じ流れで進んでいきます。
今シーズンの決勝は、日本時間5月26日、アルバニア・ティラナのアレーナ・コムタバーレで行われます。
優勝クラブに与えられる資格・賞金
カンファレンスリーグの優勝クラブには、来シーズンのヨーロッパリーグの出場権が与えられます。
ただ、UEFAランキング上位のリーグのクラブが優勝した場合は、リーグ順位に応じて色々調整がされる可能性もあります。
さらに、カンファレンスリーグで与えられる賞金は以下の通りです。
- グループステージ進出:294万ユーロ(約3億9000万円)
- グループステージ勝利:50万ユーロ(約6700万円)
- グループステージ引き分け:16万6000ユーロ(約2200万円)
- ノックアウト・ステージ進出:60万ユーロ(約8100万円)
- ベスト8進出:100万ユーロ(約1億3500万円)
- ベスト4進出:200万ユーロ(約2億7000万円)
- 準優勝:300万ユーロ(約4億500万円)
- 優勝:500万ユーロ(約6億7500万円)
やはり、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグと比べると少ないですね。
プレミアリーグから、今シーズンはトッテナムが出場しましたが、残念ながらグループステージで敗退してしまいました。
カンファレンスリーグで仮にグループステージから全勝で優勝しても、総額1454万ユーロ(約19億5300万円)となり、プレミアリーグの13位で得られる賞金(1520万ポンド:約22億400万円)よりも少ない計算になります。
移動距離も長くなり、また監督交代や新型コロナウイルスの影響などもありましたが、選手の疲労面も考慮して、リーグ戦に集中して、CLまたはEL出場権を得るという決断をしたかもしれません。
UEFAランキング上位リーグのクラブにとっては、カンファレンスリーグは消化試合、また若手の育成的な位置づけになるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、『UEFAヨーロッパカンファレンスリーグとは?出場権やレギュレーションを徹底調査!』と題してお伝えしました。
今シーズンから新たに創設された“UEFAカンファレンスリーグ”ですが、5大リーグとの格差を少なくしていくにはまだ時間がかかるでしょう。
5大リーグのクラブにとっては、消化試合的な意味合いを持つかもしれませんが、5大リーグ以外のクラブにとっては、ヨーロッパ中に、クラブそしてプレイヤーの名を売り込む絶好の機会になります。
これから、“カンファレンスリーグ優勝”を目標に掲げるクラブも出てくるでしょう。
知名度が低い叩き上げのクラブが、5大リーグのクラブを破り、ヨーロッパ中にその名を轟かせる日も近いかもしれません。
“UEFAカンファレンスリーグ”が存在意義を持った大会として継続していくためにも、5大リーグ以外のクラブの活躍に期待したいですね。
いつもありがとうございます!
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