サッカーファンの皆さん、こんにちは。
2021年4月に突如発表された“欧州スーパーリーグ構想”。
😱本日のサッカー界
【全面戦争勃発】
・欧州スーパーリーグ創設を正式発表
・初代会長はマドリーのペレス
・バイエルン、PSG、ドルトムントは参加拒否
・UEFA『いい加減にしろ』
・FIFA『支持しません』
・ネビル『恥を知れ』
・トッテナムがモウリーニョ監督解任 pic.twitter.com/oEMjnXe0wV— Madridista 92:48 (@RMCF_Minuto93) April 19, 2021
発表直後は欧州のビッグクラブが多く名を連ねていましたが、各方面から多くの反発を受け、現在はレアル・マドリード、バルセロナの2クラブのみとなっています。
とはいえ、この火はまだ燻っており、2023年12月に欧州スーパーリーグの新構想が発表されました。
改めて、欧州スーパーリーグの現状と問題点について、振り返ってみたいと思います。
ということで今回は
- 欧州スーパーリーグの成り立ちと歴史
- 参加予定チーム・脱退チームの意見&思惑
- 欧州スーパーリーグの新構想と反応まとめ
- 欧州スーパーリーグの問題点
- まとめ
の順でお伝えしていきます。
欧州スーパーリーグの成り立ちと歴史
まずは欧州スーパーリーグ構想の流れについて、みてみましょう。
2021年4月18日に、UEFAチャンピオンズリーグに取って代わる大会として、欧州スーパーリーグ構想が発表されました。
参加クラブは
- レアル・マドリード
- バルセロナ
- アトレティコ・マドリード
- マンチェスター・ユナイテッド
- マンチェスター・シティ
- アーセナル、チェルシー
- リバプール
- トッテナム
- ユベントス
- インテル
- ミラン
の12クラブでした。
しかし発表直後から、各方面から多くの反発を受け、UEFAはFA(イングランドサッカー協会)、プレミアリーグ、RFEF(スペインサッカー連盟)、ラ・リーガ、FIGC(イタリアサッカー連盟)、セリエAと共に、「少数クラブの私利私欲に基づいたプロジェクトを阻止することを続け…司法とスポーツの両面から、あらゆるレベルで利用可能な手段を検討する。」と声明を発表しました。
またUEFAは欧州スーパーリーグに参加するクラブに対して、国内リーグや他の国際大会への参加を認めず、所属選手が代表チームでプレーすることも認めないと、真っ向から対立姿勢を示しました。
このUEFAの強気の姿勢や、ファンやメディアからの批判の声もあり、構想発表からわずか2日後にはプレミアリーグ6クラブが離脱表明し、その後アトレティコ・マドリード、インテル、ミランも離脱表明しました。
そして続々と離脱表明するクラブが出てきた中、レアル・マドリード、バルセロナとともにスーパーリーグ構想に残っていたユベントスも、2023年7月に撤退を表明しました。
参加予定チーム・脱退チームの意見と思惑
このスーパーリーグ構想の背景には、コロナ渦による大幅な収入減があります。
欧州スーパーリーグ初代会長に就任したレアル・マドリードのフロレンティーノ・ぺレス会長も創設の際にこのような声明を残しています。
「パンデミックはフットボールのピラミッド全体の利益を助けるため、その価値を引き上げるために戦略的展望、商業的焦点が必要なことを明らかにした。」
UEFAもこのスーパーリーグ構想が発表された後すぐに、24-25シーズンからチャンピオンズリーグの出場チームを36チームに拡大する新しいフォーマットを発表しました。
しかし、決勝トーナメントに入ると多くのメディアの注目を集めますが、グループステージではどうしても実力差があるチームの対戦が多くなり、注目度が低くなります。
ぺレス会長も、この現状に不満を持っており、毎試合ビッグマッチ級の試合が続くスーパーリーグではその課題も解決できると考えているようです。
しかし、このスーパーリーグ構想は各国リーグ戦の軽視につながり、UEFAをはじめ各国サッカー協会やリーグ、ファンだけでなく、様々な方面から多くの反発を招きました。
「サッカー界を救うため」とぺレス会長はコメントしましたが、実際はビッククラブのエゴと、UEFAとの利権争いから生じた産物といえるでしょう。
当初はスーパーリーグ構想に入っていたクラブも、多くの反感を招いている状況であえて入っていくことはしないでしょう。
そしてサッカーの本質とは何か、完全に忘れている展開であり、それを選手もファンも感じている以上、なかなか理解を得るのは難しいでしょう。
欧州スーパーリーグの新構想と反応まとめ
2023年12月21日、欧州司法裁判所(ECJ)はFIFAやUEFAがスーパーリーグ構想を阻止するのはEU法に違反しているとの判決を下しました。
これを受けて、欧州スーパーリーグ(ESL)構想を推進する『A22スポーツマネジメント』が大会の新たなフォーマットを発表しました。
当初は12クラブ参加から、参加クラブ数を64に増やし、トップの「スターリーグ」(16クラブ)に、その下のカテゴリーは「ゴールドリーグ」(16クラブ)、さらに3部に当たる下のカテゴリーは「ブルーリーグ」(32クラブ)となり、各シーズンごとに昇格・降格が行われます。
UEFAはECJが下した判決に留意するとしつつも、「この判決は、いわゆる“スーパーリーグ”の承認、また承認を意味するものではない。」との声明を出し、改めて反対の姿勢を示しています。
さらに、スーパーリーグ新構想が発表された後、以前は参戦クラブに含まれていたクラブをはじめ、多くのクラブが反対表明の姿勢を示しています。
【現時点で反対表明を出している主なクラブ】
- アーセナル
- チェルシー
- マンチェスター・シティ
- マンチェスター・ユナイテッド
- トッテナム
- アトレティコ・マドリード
- レアル・ソシエダ
- セビージャ
- バレンシア
- ビジャレアル
- バイエルン・ミュンヘン
- ドルトムント
- パリ・サンジェルマン
- モナコ
- インテル
- ローマ
- アタランタ
- フェイエノールト
- フェネルバフチェ
一方、スーパーリーグ構想の中心的な存在であるレアル・マドリードのフロレンティーノ・ぺレス会長は、「今日からクラブの運命を決めるのは我々だ。…自由な欧州の勝利であり、サッカーとファンの勝利である。」と高らかに宣言しました。
現時点で、スーパーリーグ構想に残っているのはレアル・マドリードとバルセロナの2クラブのみですが、ここに新たにナポリが入ってきそうです。
🇮🇹 欧州司法裁判所の裁定を歓迎 🗣#ナポリ のデ・ラウレンティス会長が、欧州SL構想に対する欧州司法裁判所の裁定を歓迎。
「スーパーリーグ構想は(2021年の発足当初は)間違った動きだったが、それがこの変化をもたらした。今、私たちは真剣に考える必要がある」https://t.co/DMkncICVxo
— GOAL Japan (@GoalJP_Official) December 23, 2023
ナポリのデ・ラウレンティス会長は地元メディアでのインタビューの中で、FIFAとUEFAがスポーツのビジネスとクラブの収入を増やす必要性を理解していないと付け加えた上で、「(スーパーリーグ構想を)今、私たちは真剣に考える必要がある。」とコメントしています。
表向きは反対を表明しているクラブも、今後はどうなるか分かりませんね。
引き続きスーパーリーグ構想に関わる動きに注目ですね。
欧州スーパーリーグの問題点
欧州スーパーリーグ構想の問題点は、やはり各国リーグ戦の軽視といえるでしょう。
スーパーリーグ構想の是非を問う議論の中で、23-24シーズンのラ・リーガで優勝争いを繰り広げているジローナが取り上げられていました。
23-24シーズンのラ・リーガでジローナは、第24節終了時点で首位レアル・マドリードと勝ち点差5ptの2位と大きく躍進し、バルセロナやアトレティコ・マドリードにも勝利を上げています。
マンチェスター・シティと同じシティ・フットボール・グループに所属していることもあり、スムーズに行かないかもしれませんが、現行のレギュレーションではチャンピオンズリーグに出場することが出来ます。
しかし、これがスーパーリーグとなれば、3部に当たる「ブルーリーグ」(32クラブ)参戦となります。
もちろん、翌シーズン以降も同じ強さを保てば良いのですが、夢がないですよね…。
こういった点を考えると、財政面もそうですが、やはりビッグクラブのエゴが出過ぎた状態だといえるでしょう。
とは言えUEFAやFIFAも試合数の大幅な増加など拡大路線に走り、選手に大きな負担を負わせていることにも責任はありますが…。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、欧州スーパーリーグの成り立ちと歴史、参加予定チームと脱退チームの意見や思惑、新構想に対する反応、欧州スーパーリーグの問題点についてまとめてみました。
いまや膨大な額が動く一大市場となったサッカー界。
残念ながら、やはり利権にかかわる思惑は大きいようですね。
既に欧州サッカー界を二分する“スーパーリーグ構想”ですが、皆さんはどう思われるでしょうか。
今後もこの論争は続きそうですが、引き続き今後の動向に注目するとともに、選手たちが影響を受けないことを願いたいですね。
いつもありがとうございます!
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