プレミアリーグの移籍ルールまとめ!期間や条件を徹底調査!

プレミアリーグファンの皆さん、こんにちは。

 

UEFAチャンピオンズリーグでの活躍を見ても分かる様に、ここ数シーズンはヨーロッパの舞台でもプレミアリーグのチームは強さを発揮しています。

毎シーズン、世界有数のトッププレイヤーが加入してくるプレミアリーグには、他リーグとは異なる移籍ルールが存在し、そのルールによって、近年プレミアリーグのレベルアップと、自国代表の育成にもつながっています。

 

日本人選手が移籍する際に、度々話題になるプレミアリーグの移籍ルールは気になりますよね!

 

ということで今回は、プレミアリーグの移籍ルールについて、

  • 夏・冬の移籍期間と特徴
  • 労働許可証・特例などプレミアリーグでプレーするためにクリアすべき条件
  • まとめ

の順でお伝えしていきます。

夏・冬の移籍期間と特徴

プレミアリーグの移籍期間ですが、例年、シーズン終了後(6月初旬)から8月31日までになっています予。

 

リーガ・エスパニョーラセリエAブンデスリーガと同じく、シーズン終了後、約2か月の移籍期間になります。

冬の移籍期間もヨーロッパ各国主要リーグと同じく、12月下旬から1月31日までの約1ヶ月間になるでしょう。

ちなみに、カタール・ワールドカップがあった2022年は、夏の移籍期間は6月9日から8月31日まで、現地時間午後11時締切。冬の移籍期間は、1月1日から1月31日までとなっていました。

期限ギリギリまで、ビックディールに向けた水面下での動きが繰り広げられ、契約が成立することもあれば、書類や届け出が間に合わず破談になることもあります。

毎シーズン、移籍期間の締め切りが近づくにつれ、サッカーファンは冷や冷やさせられますね。

 

 

 

労働許可証・特例などプレミアリーグでプレーするためにクリアすべき条件

外国籍の選手が、プレミアリーグのチームに移籍するために乗り越えなければいけない障壁として…

  1. 労働許可証
  2. ホーム・グロウン・ルール

が挙げられます。

 

労働許可証

非EU国籍の選手がプレミアリーグでプレーするためには外国人労働許可証を取得することが求められます。

この労働許可証を得るには以下に記載した3つの厳しい規定をクリアしなければなりません。

  • FIFAランキングが50位以内の国の選手であること
  • FIFAランキング30位以内の国の選手は過去2年間の自国フル代表としての公式戦出場率が30%以上であること(21歳未満は過去1年間)
  • FIFAランキングや代表出場歴に関係なく、移籍金1000~1500万ポンド(約19億5000万~29億円)以上の市場価値のある選手であること

この3つの規定をクリアしていない場合は、FAが発行するGBE(Governing Body Endorsement)を取得しなければいけません。

 

このGBEは、以下の6つの項目から考慮されます。

  1. A代表:国際試合出場数
  2. クラブチーム:リーグ出場時間
  3. クラブチーム:コンペティション出場時間
  4. クラブチーム:リーグ順位
  5. クラブチーム:コンペティションでの勝ち上がり
  6. クラブチーム:所属リーグの格

この6つの項目から、それぞれポイントが付与され、合計15ポイント以上に達すれば、GBEを取得することが出来ます。

 

では、気になる日本人選手についてはどうでしょうか。

現在、日本のFIFAランキングは23位です。(2022年3月31日発表)

そのため、過去2年の間に行われた国際Aマッチの出場数が全体の60%を超えれば、自動的に労働許可証が付与されます。

A代表のレギュラーとして試合に出続けていれば、問題なく労働許可証を取得できるでしょう。

 

ちなみに、ここでの国際試合出場数ですが、FIFAの拘束力が働く試合のみを指すので、日本代表でいったら東アジア選手権やオリンピックなどはこれには該当しません。

 

しかし、A代表に招集されていても、出場機会が少ない選手は、この基準に達することが出来ないので、GBEを取得できるかどうかが考慮されます。

FIFAランキング21~30位の国では、Aマッチ出場数が

  • 50~59%で10ポイント
  • 40~49%では9ポイント
  • 30~39%では8ポイント
  • 20~29%では7ポイント
  • 20%以下は0ポイント

となります。

 

FAの規定では、リーグや国際カップ戦のレベル分けに「バンド」という言葉を用い、このバンド分けにより、与えられるポイントの要件が変わってきます。

バンドは1~6までに分けられていて、バンド分けは以下の通りです。

バンド1:プレミアリーグ、ブンデスリーガ、ラ・リーガ、セリエA、リーグアン

コンペティション:UEFAチャンピオンズリーグ、コパ・リベルタドーレス

 

バンド2:プリメイラ・リーグ(ポルトガル)、エールディビジ(オランダ)、ファースト・ディビジョンA(ベルギー)、シュペル・リグ(トルコ)、チャンピオンシップ(イングランド2部)

コンペティション:UEFAヨーロッパリーグ、コパ・スダメリカーナ

 

バンド3:ロシア・プレミアリーグ(ロシア)、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル)、プリメーラ・ディビシオン(アルゼンチン)、リーガMX(メキシコ)、プレミアシップ(スコットランド)

コンペティション:バンド1・2以外のすべての国際カップ戦

 

バンド4:ファースト・リーグ(チェコ)、ファースト・フットボール・リーグ(クロアチア)、スーパーリーグ(スイス)、ラ・リーガ2部、ブンデスリーガ2部、ウクライナ・プレミアリーグ、ギリシャ・スーパーリーグ、カテゴリア・プリメーラA(コロンビア)、MLS(アメリカ)、オーストリア・ブンデスリーガ、デンマーク・スーペルリーガ、リーグ・ドゥ

 

バンド5:スーペルリーガ(セルビア)、エクストラクラサ(ポーランド)、プルヴァリーガ(スロヴェニア)、プリメーラ・ディビシオン(チリ)、プリメーラ・ディビシオン(ウルグアイ)、中国スーパーリーグ(中国)、アルスヴェンスカン(スウェーデン)、エリテセリエン(ノルウェー)

 

バンド6:バンド1~5以外のすべてのリーグ

 

日本人選手が多く所属しているブンデスリーガはバンド1に格付けされているので、出場時間が所属チームのリーグ全試合の90%以上を超えていれば12ポイント付与され、GBE取得に有利になりますが、バンド2に格付けされているオランダやベルギーリーグは、90%以上で10ポイント、バンド4に格付けされているブンデスリーガ2部やスイスリーグは、90%以上で6ポイントと少なくなっていきます。

 

Jリーグはバンド6に位置し、90%以上で2ポイントしか付与されないので、A代表の主力クラスでないと、プレミアリーグでの労働許可証が発行されるのは難しいでしょう。

それ故に、獲得してもすぐに他国のクラブへのレンタル移籍に出されるのです。

 

また、現在以下の3つのルール改正が検討されています。

  • イギリスの労働許可証の発給は、プレミアリーグのクラブでプレーする選手に限る
  • 他クラブへレンタル移籍した選手がイギリスの労働許可証の発給を受けて、イギリスに戻ることは禁止
  • 異議申し立ては手順の不備により、拒否されたケースに限る

この全てが適用されれば、日本人選手も含め非EU圏の選手にとってプレミアリーグ挑戦はより困難なものとなります。

特に有望株の青田買いなどが大きく制限されることが予想され、補強戦略に大きく影響を及ぼすことでしょう。

かつては、指揮官自ら動き出し、特例として労働許可が下りたこともありましたが、イギリスのブレクジット(EU離脱)により、移籍の制限がより厳しくなり、特例も認められにくくなっています。

 

 

ホーム・グロウン・ルール

ラ・リーガやセリエAにはEU圏外の外国人籍選手の枠が存在しますが、プレミアリーグには外国人枠は存在しません。

 

とはいえ、登録選手数25人のうち、最低でも8人は、21歳の誕生日を迎えるまでに3シーズン、または36カ月以上イングランドやウェールズのクラブ(下部組織を含む)でプレーしているホーム・グロウン選手でなければいけません(国籍は問わず)。

 

つまり、25の登録選手枠のうち、8人のホーム・グロウン選手は固定で、それ以外は17人までの登録は自由であるということです。

そのため、ホーム・グロウン選手が抜けると、また別のホーム・グロウン選手を確保しなければいけないので、ユースからの昇格やレンタルバックなどで確保しない限り、ホーム・グロウン選手の獲得の際には、移籍金が市場価値よりも跳ね上がる傾向があります。

 

近年では、久保建英(元バルセロナ)や中井卓大(レアル・マドリード・カスティージョ)など、10代前半から、ヨーロッパクラブの下部組織に入団するケースもありましたが、“未成年の保護”の観点から、FIFAは18歳未満の選手の国際移籍を禁止しており、日本人選手がホーム・グロウン選手に該当することはまずないでしょう。

 

 

2022年夏の移籍市場で影響を受ける可能性があった日本代表選手の例

板倉 滉

ポジション:CB

生年月日:1997年1月27日(25歳)

現所属シャルケ04(ドイツ2部)、マンチェスター・シティからレンタル移籍中。

2019年1月にマンチェスター・シティに完全移籍したものの、この時点では労働許可証を取得できず、昨シーズンまではフローニンゲン(オランダ)、今シーズンからはシャルケ04にレンタル移籍しています。

東京オリンピックでは、CBの主力として活躍し、そしてA代表でも定期的に招集されています。

 

また今シーズン所属しているシャルケでも主力として活躍していますが、現時点で労働許可証を取得する条件を満たしているのでしょうか。

過去2年分(2022/3/31からさかのぼって)の国際Aマッチ出場数は、20試合中5試合、25%の出場率になります。

よって、労働許可証を自動的に取得することはできません。ではGBEのポイントはどうでしょうか。

  1. Aマッチ出場率:25% → 7ポイント
  2. クラブチーム出場時間:24試合2,073分 → 85%(バンド4) → 5ポイント
  3. コンペティション出場時間:該当せず → 0ポイント
  4. リーグ順位:第27節終了時点4位 → 0ポイント
  5. コンペティションでの勝ち上がり:ボカールは該当せず → 0ポイント
  6. 所属リーグの格:バンド4(ブンデスリーガ2部) → 6ポイント

合計:18ポイント

となり、ギリギリではありますが、15ポイント以上になる見込みです。

 

とはいえ、現時点でマンチェスター・シティに復帰しても、おそらく厳しいポジション争いに置かれることでしょう。

さらに、22年夏の移籍市場から、1チームでレンタルで放出する選手の上限が8人までになり、23年は7人、24年には6人までに制限されます。

板倉(シャルケ)だけでなく、食野亮太郎(エストリル)、ペドロ・ポロ(スポルティング)、ヤンヘル・エレーラ(エスパニョール)、イッサ・カボレ(トロワ)など、マンチェスター・シティからレンタル移籍している選手は数多くいますが、22年夏は8人に制限されるため、この夏は、レンタル移籍組から、完全移籍に移行する交渉が行われることでしょう。

板倉のレンタル契約には買取オプションも付いているので、シャルケが行使するかどうか、また他チームへの完全移籍へと動くのか、この夏の移籍市場での動きに注目です。

 

 

三苫 薫

ポジション:WG、OMF

生年月日:1997年5月20日(24歳)

現所属ユニオン・サンジロワーズ(ベルギー)、ブライトンからレンタル移籍中。

先日行われた、カタール・ワールドカップ最終予選のアウェーでのオーストラリア戦、終了間際の劇的なゴールと、ロスタイムでのゴールの2ゴールを決め、ワールドカップ出場権獲得に大きく貢献しました。

アウェーでのオマーン戦でも決勝点の起点となるなど、日本代表において切り札的な存在となっています。

 

東京オリンピック終了後、25年6月末までの4年契約でブライトンに完全移籍し、現在は共同保有するユニオン・サンジロワーズに所属しています。

 

では、現時点で労働許可証を取得する条件を満たしているのでしょうか。

過去2年分(2022/3/31からさかのぼって)の国際Aマッチ出場数は、20試合中3試合、15%の出場率になります。

よって、労働許可証を自動的に取得することはできません。

ではGBEのポイントはどうでしょうか。

  1. Aマッチ出場率:15% → 0ポイント
  2. クラブチーム出場時間:19試合1,008分 → 35%(バンド2) → 4ポイント
  3. コンペティション出場時間:該当せず → 0ポイント
  4. リーグ順位:第32節終了時点1位(バンド2) → 5ポイント
  5. コンペティションでの勝ち上がり:該当せず → 0ポイント
  6. 所属リーグの格:バンド2(ファースト・ディビジョンA) → 10ポイント

合計:19ポイント

となり、15ポイント以上になる見込みです。

 

A代表での印象的な活躍からすると、意外にもまだ出場試合数は少ないですが、これから出場試合数を伸ばしていくことでしょう。

冬の移籍市場でも、三苫は既に労働許可証を取得する条件を満たしているとの報道もありましたが、今シーズン、ベルギーリーグでのユニオンの躍進ぶりから、こういった報道も出たのかもしれません。

いずれにしても、今シーズン終了後にブライトンに復帰するかどうかはまだ分かりません。

ユニオンでチャンピオンズリーグに出場する姿も見てみたいですし、ブライトンでプレミアリーグで活躍する姿も見たいですね。

ポッター監督の起用法にも注目ですね。

 

 

川辺 駿

ポジション:CMF、OMF

生年月日:1995年9月8日(26歳)

現所属グラスホッパー(スイス)、ウォルバーハンプトンからレンタル移籍中。

今シーズン開幕前にサンフレッチェ広島からグラスホッパーに移籍後、レギュラーに定着し、この冬の移籍市場で、ウォルバーハンプトンに25年6月末までの3年半契約の完全移籍での加入が発表されました。

現在はグラスホッパーへのレンタル移籍が継続されていますが、では、現時点で労働許可証を取得する条件を満たしているのでしょうか。

 

過去2年分(2022/3/31からさかのぼって)の国際Aマッチ出場数は、20試合中4試合、20%の出場率になります。

よって、労働許可証を自動的に取得することはできません。ではGBEのポイントはどうでしょうか。

  1. Aマッチ出場率:20% → 7ポイント
  2. クラブチーム出場時間:25試合1,863分 → 77%(バンド4) → 4ポイント
  3. コンペティション出場時間:該当せず → 0ポイント
  4. リーグ順位:第27節終了時点8位 → 0ポイント
  5. コンペティションでの勝ち上がり:該当せず → 0ポイント
  6. 所属リーグの格:バンド4(スイス・スーパーリーグ) → 6ポイント

合計:17ポイント

とギリギリではありますが、15ポイントは満たしています。

しかし、グラスホッパーは現時点でスイス・スーパーリーグで降格争いに巻き込まれており、2部降格となるとさらにリーグの格が下がる可能性もあります。

またA代表も21年6月以降招集されておらず、Aマッチ出場率が20%以下になると0ポイントになってしまい、労働許可証の取得がさらに困難になります。

 

こうした現状を受けてか、レンタル期間が当初の予定より1年延長され、23年までグラスホッパーでプレーすることになりました。

ウルブスでプレーするためには、まずA代表に再び招集され、Aマッチ出場率を上げることが第一条件ですね。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか。

 

今回は、『プレミアリーグの移籍ルールまとめ!期間や条件を徹底調査!』と題して、プレミアリーグの移籍ルールについて、日本人選手の例を出しながらお伝えしました。

 

自国の選手たちの育成のためとはいえ、プレミアリーグに移籍するためには、厳しい条件をクリアしなければなりません。

逆に言えば、この条件をクリアして移籍できれば、世界最高峰のリーグに認められたということになります。

今シーズンも、アーセナルに加入した富安が既にチームの主力として欠かせない存在となっており、日本人選手に対する評価も変化していることでしょう。

 

Jリーグから、即戦力としてプレミアリーグのクラブに移籍するのは厳しいかもしれませんが、近年はドイツやオランダ、ベルギーなどで実績を積んでいる若い選手たちも多くため、A代表に呼ばれていなくても、チームの主力として活躍していれば、以前と比べて比較的労働許可証を得やすい環境だと言えます。

 

今シーズンも終盤に近づき、そろそろ移籍に関する報道が増えてきます。プレミアリーグで活躍する日本人選手が増えることに期待したいですね。

いつもありがとうございます!

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