サッカーファンの皆さん、こんにちは。
時代も進み、トップレベルのチームが志向するスタイルも大きく変わってきました。
フォーメーションやスタイルの変化に伴い、これまであまり使われなかったポジションや役割が出てくるようになった一方、今ではあまり使われないポジションや役割も出ています。
今回は、改めてチームの肝となる中盤におけるポジションと役割を整理していきたいと思います!
ということで今回は、
- アンカーのポジションと役割は?
- ボランチのポジションと役割は?
- トップ下のポジションと役割は?
- サイドハーフのポジションと役割は?
- インサイドハーフのポジションと役割は?
- まとめ
の順でお伝えしていきます。
アンカーのポジションと役割は?
まずは、中盤の中央、セントラルミッドフィルダーの中で、“アンカー”について取り上げたいと思います。
大まかなポジションは以下のような位置です。
“4-1-2-3”のフォーメーションにおいて、DFラインとインサイドハーフの間で、守備的な働きや攻守の切り替え役としての働きが求められます。
アンカーを務める選手には、守備強度の高さはもちろんのこと、パス精度の高さや広い視野、危機察知能力など幅広い分野で高い能力が求められます。
このポジションは、かつてセリエAでは“レジスタ”との呼ばれ、守備強度の高さよりも、パス精度や展開力の高さが求められていましたが、速さと強度が増した現代サッカーにおいては、双方ともに高い水準が求められるようになっています。
現在、欧州でアンカーとして活躍する主な選手を挙げてみると…
- ロドリ(マンチェスター・シティ/スペイン代表)
- 遠藤 航(リバプール/日本代表)
- オーレリアン・チュアメニ(レアル・マドリード/フランス代表)
- マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ/スペイン代表)
- ハカン・チャルハノール(インテル/トルコ代表)
といったところでしょうか。
ロドリや遠藤は、やや守備的なイメージがありますが、前線への正確なパスを供給するなど、攻守の切り替えの速さを発揮しています。
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一方、インテルではブロゾビッチが退団したことにより、2023-24シーズンからハカン・チャルハノールが攻撃的な位置からアンカーにコンバートされ、ミランやユベントスで活躍した元イタリア代表MFアンドレア・ピルロのような“レジスタ”タイプのアンカーとして活躍しています。
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同じ“レジスタ”タイプのアンカーとしては、チェルシー在籍時のイタリア代表MFジョルジーニョが挙げられますが、アーセナル移籍後はボランチやインサイドハーフでの起用もあり、アンカーで活躍する選手としては、今回は外しました。
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ボランチのポジションと役割は?
次に、中盤の中央、セントラルミッドフィルダーの“ボランチ”について取り上げたいと思います。
大まかなポジションは以下のような位置です。
“アンカー”と“ボランチ”に明確な違いはないとすることもありますが、基本的には“4-1-2-3”のフォーメーションの場合は“アンカー”で、CMFを2枚並べる場合は“ボランチ”と考えてよいでしょう。
ボランチもアンカーと同じく、守備的な働きや攻守の切り替え役としての働きが求められますが、前線への積極的な顔出しも求められ、やや攻撃的な側面が強いかもしれません。
ボランチを務める選手には、アンカーと同じく守備強度の高さやパス精度の高さに加え、戦術眼や広い視野、運動量やフィジカルの強さなども求められます。
チーム事情も左右するところもありますが、基本的に2ボランチを敷く場合は、攻撃的なCMFと守備的なCMFを組ませ、バランスを図ることが多いです。
現在、欧州でボランチとして活躍する主な選手を挙げてみると…
- デクラン・ライス(アーセナル/イングランド代表)
- エンソ・フェルナンデス(チェルシー/アルゼンチン代表)
- フェリペ・カイセド(チェルシー/エクアドル代表)
- カゼミーロ(マンチェスター・ユナイテッド/ブラジル代表)
- グラニト・ジャカ(レバークーゼン/スイス代表)
といったところでしょうか。
ライスやカゼミーロは、前所属チームではアンカーとしてプレーしていたこともあり、求める役割やシステムが変わっても対応できる戦術理解度の高さを発揮しています。
また2023-24シーズンのブンデスリーガで首位を走っているレバークーゼンで、“3-4-3”のフォーメーションのCMFとして定位置を確保しているジャカも、豊富な運動量や攻守における能力の高さを発揮し、チームを牽引しています。
今週末の首位攻防戦に向けて
注目選手のゴールシーンを振り返り👀【本日は #ジャカ 🏭】#アーセナル より今季移籍したジャカ🙌🏻
ブンデスでもこれまでリーグ戦全試合に先発出場し、未だ負けなしのレヴァークーゼンの攻撃起点に💥🇩🇪23/24 ドイツ #ブンデスリーガ 第21節
🗓2/10(土)26:30KO… pic.twitter.com/wTuUfsK1Dl— スカパー!ブンデスリーガ (@skyperfectv) February 8, 2024
ボランチは“チームの心臓”とも表されることもあり、単にフィジカル能力の高さだけでなく、チームの精神的支柱の役割も求められるでしょう。
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トップ下のポジションと役割は?
今度は、中盤の高い位置、オフェンシブミッドフィルダーの中で、“トップ下”について取り上げたいと思います。
大まかなポジションは以下のような位置です。
主にトップ下を務めていた有名選手は、
- ジネディーヌ・ジダン(ユベントス、レアル・マドリード/元フランス代表)
- フランチェスコ・トッティ(ローマ/元イタリア代表)
- マヌエル・ルイ・コスタ(フィオレンティーナ、ミラン/元ポルトガル代表)
- カカ(ミラン、レアル・マドリード/元ブラジル代表)
- 中田 英寿(ローマ、パルマ他/元日本代表)
などが挙げられるでしょう。
🇵🇹 49歳の誕生日おめでとう、ルイ・コスタ! 🥳#UCL pic.twitter.com/nEgwGnwaPL
— UEFAチャンピオンズリーグ (@UCLJapan) March 29, 2021
しかし、現代サッカーでは特定の選手にゲームメイクをまかせることはほとんどなく、トップ下のポジションはあったとしても、司令塔的な役割もあれば、シャドーストライカー的な役割を果たす場合が多くなりました。
これにより、かつてのような“王様”的存在のトップ下はほとんどいなくなりました。
現在、欧州でトップ下として活躍する主な選手を挙げてみると…
- ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド/ポルトガル代表)
- マルティン・ウーデゴール(アーセナル/ノルウェー代表)
- ジェームズ・マディソン(トッテナム/イングランド代表)
- トーマス・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ代表)
といったところでしょうか。
ブルーノ・フェルナンデス、ウーデゴール、マディソンは司令塔タイプのトップ下ですが、ボールを保持してから攻撃を組み立てていくのではなく、カウンターの起点となったり、時には中盤の低い位置まで下がり、経由して攻撃を組み立てていくスタイルが主流となっています。
ミュラーはシャドータイプのトップ下であり、中盤のいたるところに顔を出し、絶妙な駆け引きでDFラインを抜け出し、シュートやパスで相手ゴールに迫っていきます。
サイドハーフのポジションと役割は?
さらに、中盤の高い位置、オフェンシブミッドフィルダーの中で、“サイドハーフ”について取り上げたいと思います。
大まかなポジションは以下のような位置です。
ここで“サイドハーフ”と“ウィング”の違いについて、少し触れたいと思います。
しかし現代サッカーにおいては、高い位置を取るウィングでも前線からのプレスなど守備での献身性が求められ、働きや役割においては明確な違いはなくなってきています。
それでフォーメーションやシステムで、“サイドハーフ”と“ウィング”は区別化されると考えてよいかもしれません。
どちらかといえば、ウィングバックの方がサイドハーフに近い役割を果たしているかもしれません。
サイドハーフもいくつかのタイプに分けられます。
- ドリブラータイプ
- ストライカータイプ
- クロッサータイプ
- ゲームメイカータイプ
ドリブラータイプやストライカータイプは、“4-3-3”や“4-2-3-1”のフォーメーションでよく見られ、前線の高い位置を取ります。
このタイプで現在、欧州で活躍する主な選手を挙げてみると…
- モハメド・サラー(リバプール/エジプト代表)
- ソン・フンミン(トッテナム/韓国代表)
- ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード/ブラジル代表)
- ラファエル・レオン(ミラン/ポルトガル代表)
- 三笘 薫(ブライトン/日本代表)
といったところでしょうか。
これ以外にも、各クラブのエースクラスの選手はこのタイプのサイドハーフに属しているかもしれません。
一方、クロッサータイプの選手は少なくなっています。
かつては、デイビッド・ベッカム(元イングランド代表)やルイス・フィーゴ(元ポルトガル代表)のように、ドリブルのスピードよりもクロスの精度や質に絶対の自信を持つ選手が多くいました。
正確無比な #ベッカム の極上クロス 😍#UCL pic.twitter.com/OkLVkoXydC
— UEFAチャンピオンズリーグ (@UCLJapan) May 2, 2022
しかし現代サッカーでは、スピードが重視されるため、ドリブラータイプのサイドハーフがより重宝されるようになっています。
このタイプで現在、欧州で活躍する主な選手を挙げてみると…
- フィリップ・コスティッチ(ユベントス/セルビア代表)
- フェデリコ・ディマルコ(インテル/イタリア代表)
といったところでしょうか。
クロッサータイプは、アレクサンダー=アーノルド(リバプール)のように、サイドバックに求められている傾向が強くなっています。
そして司令塔タイプは、前線の高い位置を取りドリブルで切れ込むこともありつつも、すぐに仕掛けるのではなく基本的にタメを作って、チャンスメイクしていきます。
このタイプで現在、欧州で活躍する主な選手を挙げてみると…
- ブカヨ・サカ(アーセナル/イングランド代表)
- ベルナルド・シルバ(マンチェスター・シティ/ポルトガル代表)
- デヤン・クルセフスキ(トッテナム/スウェーデン代表)
- 久保 建英(レアル・ソシエダ/日本代表)
- アンヘル・ディ・マリア(ベンフィカ/アルゼンチン代表)
といったところでしょうか。
インサイドハーフのポジションと役割は?
最後に、中盤の中央、セントラルミッドフィルダーに戻り、“インサイドハーフ”について取り上げたいと思います。
大まかなポジションは以下のような位置です。
“4-3-3”もしくは“4-1-2-3”のフォーメーションで、アンカーの前に2枚配置されたセントラルミッドフィルダーがインサイドハーフです。
ボランチと比較すると、やや高い位置でのプレーが中心となるのがインサイドハーフですね。
現在、欧州でインサイドハーフとして活躍する主な選手を挙げてみると…
- ケビン・デブライネ(マンチェスター・シティ/ベルギー代表)
- ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/クロアチア代表)
- ジュード・べリンガム(レアル・マドリード/イングランド代表)
- フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ/オランダ代表)
- ニコロ・バレッラ(インテル/イタリア代表)
といったところでしょうか。
🫡 ルカ・モドリッチ大先生
✨ 五感が喜ぶひとときを…@lukamodric10 | #RealFootball pic.twitter.com/BphUXWONlH— レアル・マドリード C.F.🇯🇵 (@realmadridjapan) February 26, 2024
いずれの選手たちもパス精度、ドリブルスキル、シュート精度、得点力など攻撃的な能力も高く、中盤のいたるところまで動き回る運動量の高さも光ります。
かつてはトップ下が攻撃の肝となるポジションとなっていましたが、現代サッカーで攻撃の肝となるポジションといえるのがこのインサイドハーフになるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、アンカー、ボランチ、トップ下、サイドハーフ、インサイドハーフなど、中盤におけるそれぞれのポジションの役割と変化についてまとめてみました。
1990年代から2000年代にかけては、創造性溢れるファンタジスタが多くのファンを魅了し、2010年代初頭はバルセロナやスペイン代表の“ティキ・タカ”が世界を席巻しました。
そういった魅惑的なサッカーに対抗すべく、“ゲーゲンプレッシング”や“ショートカウンター”など、強さや速さを重視したスタイルが多くのクラブにおいて中心となっていますが、魅力が失われたという声が出ているのも事実です。
DAZNでの対談でトッティと中田英寿とのやり取りや、小野伸二もインタビューでそのような旨のコメントを残していました。
また時代が移り変わり、多くのファンを魅了し、世界のトレンドとなるスタイルが出てくるのか、楽しみですね。
それに伴い、新たな用語も出てくるのかにもこれから注目です。
いつもありがとうございます!
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