“Citizens”の皆さん、こんにちは。
リバプールとの優勝争いが最終節までもつれ込んだ昨シーズンは、最終節アストン・ヴィラ戦での劇的な逆転勝利により、2年連続のプレミアリーグ制覇を成し遂げました。
またチャンピオンズリーグでは、準決勝でレアル・マドリードに敗れ、ベスト4に終わりました。
偽9番システムやカンセロロールなど、多くの戦術を生み出し、マンチェスター・シティをヨーロッパ屈指の強豪チームへと変化させてきたグアルディオラ監督体制も7シーズン目を迎え、今シーズンこそはプレミアリーグ3連覇はもちろん、悲願のビックイヤー獲得に向けて、この夏の移籍市場ではチーム長年の課題だったストライカーとして、ドルトムントからハーランドを獲得し、さらにロドリのバックアッパーとして、リーズからカルヴァン・フィリップスを獲得し、盤石の布陣を固めてきました。
シーズン開幕から、CFのハーランドの爆発もあり、カタールW杯中断期間に入る前にプレミアリーグは首位アーセナルに勝ち点差5ptの2位につけ、ドルトムント、セビージャ、コペンハーゲンと同居したチャンピオンズリーグ・グループステージでは首位通過を果たしました。
グアルディオラ監督が築き上げた勝負強さもあり、今シーズンも覇権争いの中心にいますが、それでも昨シーズンのプレミアリーグで、総得点(99点)、総失点(26点)、ボール保持率(68.2%)でリーグトップを記録した、他を寄せ付けない強さを見せているかと言われるとそうとは言い切れません。
カタールW杯中断期間から再開後は、1月中旬にカラバオカップ準々決勝でサウサンプトンにまさかの敗戦を喫し、その後のリーグ戦ではマンチェスター・ダービーに敗れ、トッテナムにも敗れてしまいました。
リーグ戦では、先日のアーセナルとの大一番に勝利し、暫定ながら首位に返り咲いたものの、その後第24節ノッティンガム・フォレスト戦では引き分けに終わるなど、今一つ波に乗り切れていません。
昨シーズンはなかった個の依存も、ハーランドという大きな存在が入ったことにより顕著になり、守備の綻びなど見られてきています。
2月には、100件以上の財務違反をプレミアリーグから告発され、最悪の場合、勝ち点剥奪、もしくはリーグ除名の可能性もあり、昨年11月に2025年夏まで契約延長したグアルディオラ監督の退任も囁かれましたが、現時点では特に大きく動いていません。
このまま何もなく、プレミアリーグ3連覇と悲願のビックイヤー獲得に向けて、突き進んでいって欲しいですね。
ということで今回は、マンチェスター・シティの22-23シーズン後半戦の
- 最新移籍情報まとめ
- スタメン・フォーメーション予想
- まとめ
の順にお伝えしていきます。
最新移籍情報まとめ
22-23シーズン冬の移籍期間での選手の動きは以下の通りです。
〈IN〉
pos. | 選手名 | 年齢 | 前所属 | 移籍形態(移籍金) |
MF | マキシモ・ペッローネ | 20 | ヴェレス・サウスフィエルド | 完全移籍(1100万€、5年半契約) |
マキシモ・ペッローネ(アルゼンチンU-20代表)
Maximo Perrone. Welcome to Manchester City pic.twitter.com/0Vu3V9Gd1S
— (@ErlingRoIe) December 30, 2022
生年月日:2003年1月7日(20歳)
ポジション:DMF、CMF
利き足の左足からの正確なパスを供給しチャンスメイクしていくだけでなく、素早いプレスを仕掛け、ボール奪取能力の高さを発揮し、攻守両面で躍動する守備的MFです。
中盤で複数人に囲まれても華麗にボールを捌いていくそのプレースタイルから、レドンドやレアンドロ・パレデスに似ていると評価されています。
2022シーズンは弱冠19歳ながら、アルゼンチンの名門ヴェレス・サウスフィエルドの中心選手として活躍し、公式戦33試合に出場、3得点2アシストを記録しています。
主に2ボランチやアンカーとして起用され、コパ・リベルタドーレスのベスト4進出にも大きく貢献しました。
フリアン・アルバレスに次ぐ、アルゼンチンの逸材確保となりましたが、現スカッドの守備的MFのポジションにはロドリ、カルヴァン・フィリップスが控えており、第22節トッテナム戦ではベンチ入りしたものの、リーグ戦の出場はありません。
おそらく来シーズン以降はレンタルでの武者修行が予想されますが、今後の成長が楽しみな逸材ですね。
〈OUT〉
pos. | 選手名 | 年齢 | 移籍先 | 移籍形態(移籍金) |
DF | ジョアン・カンセロ | 28 | バイエルン・ミュンヘン | レンタル(23年6月末まで。買取OP付) |
ジョアン・カンセロ(ポルトガル代表)
カンセロ
シティ→バイエルン
ブンデスにまたスターがやってくる!
勝ち点5の中に6チーム
まだまだ混戦ブンデスリーガ— ゆうたろう@ブンデス行きたい (@KTMBAKA2017) January 30, 2023
生年月日:1994年5月27日(28歳)
ポジション:RSB、LSB、RMF
高い攻撃性能を武器に、2019年8月に加入した後は、グアルディオラ監督の下で、偽サイドバックのポジションでのプレー“カンセロロ―ル”を確立しました。
昨シーズンは主にLSBで起用されつつ、神出鬼没な動きでビルドアップの参加や攻撃に絡むなど、相手チームの脅威となり、プレミアリーグ連覇に大きく貢献しました。
今シーズンのリーグ前半戦も、LSBで全試合スタメン出場していましたが、第15節フラム戦では前半26分で一発退場を喫し、守備対応の甘さからピンチを招くシーンも増えてきました。
カタールW杯中断期間から再開後のリーグ戦では3バックを採用したことでベンチスタートが多くなり、攻撃力では劣るものの守備での強さを誇るアケや、若手のリコ・ルイスが起用されるようになり、序列が下がってしまいました。
この状況が続き、FAカップ4回戦のアーセナル戦でもベンチスタートが告げられると、カンセロとグアルディオラ監督は衝突し、カンセロが移籍希望を伝えると、グアルディオラ監督も「不満のある選手はチームに入るべきではない」とコメントし、カンセロの移籍希望を容認し、バイエルン・ミュンヘンへのレンタル移籍がすぐに決まりました。
これまでチームの中心選手として活躍してきたカンセロが抜けるのは大きな痛手ですが、グアルディオラ監督はチームの秩序を保つ方を優先し、代役確保もしませんでした。
カンセロのレンタル移籍には、7000万ユーロ(約99億円)の買取オプションが付随しており、バイエルン・ミュンヘンがこれを行使するかどうかも含め、シーズン終了後の移籍市場でも騒がせそうですね。
スタメン・フォーメーション予想
22-23シーズンのマンチェスター・シティの基本フォーメーション予想は以下の通りです。
各ポジションごとに分析してみましょう。
〈GK&DF〉
正GKにはエデルソンが起用されています。
今シーズンは、現時点(第24節終了時点)でクリーンシートは8試合と、昨シーズンほどの安定したセービングは影を潜めていますが、足元の技術の高さと左足からの正確なフィードで最後方から攻撃の組み立てに参加し、グアルディオラ監督が志向するポゼッションサッカーに欠かせない存在となっています。
そして今シーズンからは控えGKとして、ビーレフェルトからオルテガが加入しました。
昨シーズン、ブンデスリーガで最多セーブ数(125回)と最多パス成功数(1115回)を記録し、リーグ戦での出場はないものの、FAカップではチェルシーやアーセナル相手に無失点に抑え、エデルソンを脅かす活躍を見せています。
控えGKとしては、この上なく頼もしい存在となるでしょう。
DFラインですが、前半戦はこれまでと同じく4バックを基本としていました。
とはいえ開幕前にジンチェンコをアーセナルに放出し、生粋のSBはウォーカーとカンセロしかおらず、夏の移籍期間でLSBとしてアンデルレヒトからセルヒオ・ゴメスを獲得はしましたが、ウォーカー欠場時にはRSBにストーンズやアカンジ、カンセロ欠場時にはLSBにアケが入るなど、本来はCBを務める選手がSBに入るのは昨シーズンから変わっていませんでした。
しかし、カタールW杯中断期間から再開後のリーグ戦では3バックを導入する試合が多くなり、守備対応での甘さが目立っていたカンセロよりも、対人守備での強さを誇るアケがLSBや3バックで起用され、若手のリコ・ルイスもポジショニングの良さと運動量、左右両方対応できるユーティリティ性を評価され、出場機会を増やしています。
カンセロ放出にすぐ動けたのも、リコ・ルイスの台頭があったからかもしれませんね。
Rico Lewis from Bury. He really is * *.
pic.twitter.com/O1X9TBgzBU— City Report (@cityreport_) February 22, 2023
毎シーズンのようにDFラインは負傷者が続出し、やり繰りが厳しい中、グアルディオラ監督がどんな選手起用を見せてくるのか、後半戦も注目ですね。
〈MF〉
アンカーは、今シーズンもロドリが不動のポジションを築いています。
今シーズンはバックアッパーとして、リーズからイングランド代表のカルヴァン・フィリップスを獲得したものの、正確なパスを前線に供給する展開力の高さに加え、対人守備の強さも発揮し、チーム全体に安定感をもたらす存在として活躍しています。
今後はカルヴァン・フィリップスの起用も増えてくるかもしれませんが、今シーズンのロドリは安定感の高い素晴らしいパフォーマンスを見せており、今後も不動のアンカーとして起用されていくことでしょう。
2枚のインサイドハーフはデ・ブライネとギュンドアンが主に起用されています。
デ・ブライネはここまで(第24節終了時点)リーグ戦23試合に出場し、4得点を奪い、アシストはリーグトップの13を記録、攻撃の中心として活躍しています。
これまでもパス精度の高さを生かし前線に決定的なパスを供給してきましたが、今シーズンはハーランドの爆発で、数字により反映されている印象です。
そしてチームのキャプテンを務めるギュンドアンも、豊富な運動量で攻守に渡り活躍しています。
あとベルナルド・シウバも控えており、昨シーズンほどの大活躍を見せるには至っていませんが、安定感のあるプレーを見せています。
ただデ・ブライネとギュンドアンは30代になり、ギュンドアンは今シーズン終了後に契約満了を迎え、退団が噂されています。
またベルナルド・シウバにも移籍の噂は絶えず、今後はべリンガム(ドルトムント)をはじめ、CMFの新戦力獲得の噂が出てくることでしょう。
〈FW〉
RWGは、フォーデンとマフレズが控えています。
今シーズン前半戦は、フォーデンが主に先発起用され、第9節のマンチェスター・ダービーでのハットトリックをはじめ、シーズン前半戦で7得点3アシストを記録していますが、カタールW杯中断期間から再開後のリーグ戦ではマフレズが先発起用されることが多くなり、リーグ戦9試合で4得点4アシストと調子を上げつつあります。
技術とパス精度の高さに加え、ハーランドの加入により、スペースの飛び込みで得点力を開花させつつあるフォーデンと、右サイドからのタメから左右両足でチャンスメイクすることの出来るマフレズと、それぞれの持ち味を発揮させつつ、グアルディオラ監督の起用法にも注目ですね。
LWGは、グリーリッシュが主に起用されています。
昨シーズン、当時イングランド史上最高額の移籍金1億ポンドで加入したものの、リーグ戦26試合で3得点3アシストと、その高額な移籍金に見合った活躍を見せるには至りませんでした。
今シーズンもここまで(第24節終了時点)リーグ戦18試合で3得点4アシストと、数字だけではやはりまだ物足りないと感じるかもしれません。
とはいえ、今シーズンのグリーリッシュには数字では反映されない貢献度の高さがあります。
LWGでボールを受けた時には、抜群のドリブルスキルを発揮し、簡単にボールを奪われることなく、試合の流れを落ち着けたりすることが出来ます。
また対峙するDFに対して圧力をかけることも出来、プレミアリーグでのアーセナル戦での先制点のキッカケとなった富安のパスミスも、グリーリッシュのチェイスがあったからこそ生じたものでしょう。
そして何と言っても、今シーズンのマンチェスター・シティの大きな変化は、絶対的な9番、ハーランドの存在でしょう。
⚽ 記録更新ほぼ間違いなし
アーセナル戦で今季リーグ戦 26ゴール目を挙げた #ハーランド。
Optaによるとこの得点で2014-15シーズンに #アグエロ が樹立した、#マンチェスター・シティ の選手としてのプレミアリーグ 1シーズン最多得点記録に並んだ。
:@ManCitypic.twitter.com/zByBlVVb95
— GOAL Japan (@GoalJP_Official) February 16, 2023
長らくストライカー不足に悩まされてきたシティですが、この夏の移籍市場でハーランドを獲得し、ようやく求められていたピースを揃えることが出来ました。
ドルトムントで見せてきた活躍と同様にプレミアリーグでも得点を量産し、現在リーグ戦(第24節終了時点)で23試合で26得点と、試合数を超える得点数を記録、2位のケイン(トッテナム)に9点差をつけています。
得点力もそうですが、前線の起点になるなど、昨シーズンまでにはなかった強さも加わっています。
とはいえ、リーグ戦でのチーム総得点(60点)の半数近くを一人で決めているハーランドの依存度は高く、第22節トッテナム戦(0-1)や、第20節のマンチェスター・ダービー(1-2)など、ビックマッチで無得点に終わり敗れた試合では敗戦の要因として非難を受けやすくなっています。
昨シーズンまでは偽9番システムを駆使し、リーグトップの99得点を記録しましたが、グアルディオラ監督も「我々は彼を使う際には、偽9番のプレーが出来なくなった」とハーランド加入の影響について言及しています。
カタールW杯中断期間から再開後のリーグ戦では、前半戦では主にハーランドの控えとしてリーグ戦3得点を上げたフリアン・アルバレスの同時起用も増えてきましたが、ハーランドの活躍はもちろんのこと、フリアン・アルバレスの起用法にも注目ですね。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、マンチェスター・シティの最新移籍情報まとめ、ならびに22-23シーズン後半戦のスタメン・フォーメーション予想をお伝えいたしました。
2/15に行われた首位アーセナルとの大一番に勝利し、暫定ながら首位に返り咲いたものの、その後のノッティンガム・フォレスト戦で引き分け、現在プレミアリーグ(第24節終了時点)でアーセナルとの勝ち点差は2ptとなっていますが、アーセナルが1試合未消化のため、実質勝ち点差は最大で5pt差と考えてよいでしょう。
とはいえ、アーセナルとの差を着実に詰めてきており、今後の優勝争いにも目が離せませんね。
そしてチャンピオンズリーグですが、決勝トーナメント1回戦ではライプツィヒと対戦します。
1stレグはアウェーで引き分けに終わりましたが、2ndレグにホームではしっかり勝利を収め、昨シーズンの悔しさを晴らすべく、悲願のビックイヤー獲得を成し遂げて欲しいですね。
昨年11月に2025年6月末まで契約を延長し、更なる長期政権を築こうとするグアルディオラ監督の下、経験豊かな選手たちが躍動し、今シーズンも多くのタイトルを獲得することが出来るのか、マンチェスター・シティの22-23シーズン後半戦の戦いぶりにも注目していきましょう。
いつもありがとうございます!
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