バルセロナファンの皆さん、こんにちは。
無冠に終わった昨シーズンの失敗から持ち直すべく、今シーズン開幕前の移籍市場では、財政難問題を抱えながらも、放映権などの一部を売却することにより補強資金を作り出し、バイエルンからレヴァンドフスキ、リーズからハフィーニャ、セビージャからクンデを獲得し、移籍金総額1億5300万ユーロ(約216億円)もの超大型補強を敢行しました。
フリーでも、ミランからケシエ、チェルシーからクリステンセンとマルコス・アロンソ、アーセナルからベジェリンを獲得し、スカッドの大幅な入れ替えが行われました。
シーズン開幕戦ではラージョ・バジェカーノに引き分けたものの、その後はリーグ戦7連勝とスタートダッシュに成功。
しかし、第9節のクラシコでは成す術無く敗れ、チャンピオンズリーグ・グループステージでもバイエルン・ミュンヘン、インテルとの対戦でも敗れ、昨シーズンと同様、グループステージ敗退となってしまいました。
シャビ監督もバルセロナの哲学を追求し、ポゼッションサッカーを志向しつつも、ボールを失った後のプレッシングの強度とビルドアップの質で課題が明白になり、結果が伴わない日々が続きました。
それでも超大型補強の影響もあり、第9節のクラシコで敗れて以降、カタールW杯の中断期間に入るまではリーグ戦5連勝で首位で折り返し、中断期間から再開後のリーグ戦も7試合で6勝1分けと好調を維持し、現在リーガ(2/13現在)で首位に立っており、2位のレアル・マドリードとは勝ち点差11ptをつけています。
攻撃面では新加入のレヴァンドフスキもリーガ得点ランキングで2位に3得点差を付ける14得点で堂々の首位に立っています。
また1月はレヴァンドフスキが数試合欠場したものの、ペドリやデンベレ、ハフィーニャなどが得点を決め、レヴァンドフスキ不在でも勝ち切れるチームとなっています。
そして今シーズン、特に際立っているのが守備ですね。
現在リーガ(2/13現在)で総失点数7を記録し、2位に10点近く差を付ける堅守ぶりを誇っています。
GKのテア・シュテーゲンをはじめ、CBにはアラウホと新加入のクリステンセンがコンビを組み、クンデがRSBに回り、守備の強度やカウンター対応の速さも向上してきました。
かつての黄金時代のような華やかな攻撃力にはまだ至らないものの、守備の強度は黄金時代に引けを取らないものとなっています。
チャンピオンズリーグは残念ながらグループステージ敗退に終わったものの、1月のスペール・コパではレアル・マドリードを破ってタイトルを獲得し、2018-19シーズン以来、4シーズンぶりのラ・リーガ制覇に向けて後半戦を戦っていきます。
ということで今回は、バルセロナの22-23シーズン後半戦の
- 最新移籍情報まとめ
- スタメン・フォーメーション予想
- まとめ
の順にお伝えしていきます。
最新移籍情報まとめ
22-23シーズン冬の移籍期間での選手の動きは以下の通りです。
〈IN〉
なし
〈OUT〉
pos. | 選手名 | 年齢 | 移籍先 | 移籍形態(移籍金) |
DF | ジェラール・ピケ | 35 | 現役引退 | |
エクトル・ベジェリン | 27 | スポルティング | 完全移籍(100万ユーロ、23年6月末まで) | |
FW | メンフィス・デパイ | 28 | アトレティコ・マドリード | 完全移籍(300万ユーロ、2年半) |
エクトル・ベジェリン(元スペイン代表)
エクトル・ベジェリン・モルノ
Héctor Bellerín Moruno
所属:Arsenal Football Club pic.twitter.com/0dYhR1NgB1— football (@footbal63161961) January 20, 2017
生年月日:1995年3月19日(27歳)
ポジション:RSB、RMF
バルセロナの下部組織出身で、その後アーセナルのアカデミーに移籍し、2013年にトップチームデビューを果たすと、RSBの主力として活躍、アーセナルで公式戦239試合に出場しましたが、アルテタ監督就任後は負傷離脱なども重なり序列が低下してしまい、出場機会が減少、ベティスへのレンタル移籍を挟み、この夏の移籍期間終了間際に11年ぶりの古巣復帰が実現しました。
しかし、加入直後に左足のヒラメ筋負傷で戦線離脱し、復帰したばかりのチャンピオンズリーグ・グループステージ第5節のバイエルン戦では、かつてのスピードは影を潜め、守備対応の甘さを露呈してしまいました。
リーグ戦は第11節ビルバオ戦(10/23)から出場は無く、CBのクンデやアラウホ、LSBのバルデを起用し、序列を下げてしまい、公式戦7試合の出場にとどまってしまいました。
そんな中、RWBの主力を務めてきたスペイン代表のペドロ・ポロがトッテナムへ移籍したスポルティングへの完全移籍が決定しました。
契約は今シーズン終了までとなり、移籍金は100万ユーロ(約1億4000万円)となりました。
移籍金を得て放出できたのも大きいですね。
11年ぶりの古巣復帰となりましたが、残念ながらほろ苦い帰還となってしまいました。
新天地での活躍にも注目ですね。
メンフィス・デパイ(オランダ代表)
ᶠ*ᶜᵏ ᵗʰᵉ ᵖᵒˡⁱᵗⁱᶜˢ, ʸᵒᵘ ᵏⁿᵒʷ ᵗʰᵃᵗ $ʰ*ᵗ ᶜᵃⁿ’ᵗ ᵇʳᵉᵃᵏ ᵐᵉ!
ᴺᵉʷ ᵃᵍᵉ
ᴺᵉʷ ᶜˡᵘᵇ @atleticodemadrid
ᴺᵉʷ ᵍᵒᵃˡˢ ⚽️
ᴺᵉʷ ᵐᵘˢⁱᶜ
ˢᵃᵐᵉ ᵐᵉ 👉🏽🙎🏽♂️👈🏽¹³ᶠᵉᵇ¹⁹⁹⁴🥳
ᴬˢᵉᵐ ᴮᵉᵇᵃ ᵒᵘᵗ ⁿᵒʷ
🎶🎶🎶🎶https://t.co/9fgjN4TB3y pic.twitter.com/Ng0B5BMB03— Memphis Depay (@Memphis) February 13, 2023
生年月日:1994年2月13日(29歳)
ポジション:CF、LWG、ST
昨シーズン、リヨンからバルセロナに加入し、クーマン前監督政権下では主力として活躍していましたが、シャビ監督就任後は途中出場がメインになり、序列はかなり低い状態となっていました。
さらに今シーズンはレヴァンドフスキの加入も重なり、負傷離脱もありましたが、第6節エルチェ戦以降バルセロナでのリーグ戦出場はありませんでした。
クーマン前監督の解任もあり、夏での退団の可能性もありましたが、結局は残留し、「このクラブが本当に大好きなんだ」とコメントし、チーム愛を強調していましたが、結局アトレティコ・マドリードへの完全移籍が決定しました。
契約期間は2年半、移籍金は300万ユーロ(約4億1000万円)となりました。
オランダ代表でもワールドカップ・カタール大会でゴールを決めるなど、得点力はまだ健在をアピールしており、ジョアン・フェリックスやマテウス・クーニャの抜けた穴を埋める活躍が期待されています。
アトレティコ・マドリード加入後は、リーグ戦3試合に途中出場し、第21節セルタ戦では決勝ゴールを決め、勝利に貢献しました。今後の活躍にも注目ですね。
この冬の移籍期間では、夏の移籍市場とは異なり、新たな戦力を獲得せず、余剰戦力の整理に動きました。
財政難問題を抱えるバルセロナは、ラ・リーガが定めるサラリーキャップを上回り、選手売却等で資金を捻出しない限り、新たな選手とトップチームに登録することが出来ず、トップチームでプレーしているものの、ガビやアラウホは登録上は育成組織の選手となっていました。
そんな中、バルセロナは引退したピケやアトレティコ・マドリードに移籍したデパイが抜けたことにより、規定をクリアし、ガビのラ・リーガの選手登録手続きを行おうとしましたが、ラ・リーガ側はこれを拒否、2026年夏までの契約を結んでいるガビが、2024年夏でフリーになる可能性もありました。
しかし裁判所は、バルセロナの主張の正当性を認める判決を下し、ラ・リーガ側にも結果を通達し、ガビは無事にトップチームの選手として登録されたことが発表されました。
これまでは背番号「30」を付けていましたが、トップチーム登録により、シャビ監督が現役時代に付けていた背番号「6」をガビが継承することになりました。
サラリーキャップの問題は今後も付きまとうことになりますが、とりあえず新時代の中心を担う至宝の流出は避けた形になりましたね。
6AVI pic.twitter.com/p9OXOpTgSF
— FC Barcelona (@FCBarcelona_es) January 31, 2023
来シーズンの開幕前の移籍市場では、今シーズン限りでの退団が有力視されているキャプテンのブスケツの後継者候補の獲得がメインテーマとなるでしょう。
この冬は、モロッコ代表のW杯ベスト4進出の原動力となったアムラバト(フィオレンティーナ)の獲得を狙いましたが、移籍は実現せず。
今後もブスケツの後継者候補として、多くの名前が出てくることでしょう。
スタメン・フォーメーション予想
22-23シーズンのバルセロナの基本フォーメーション予想は以下の通りです。
各ポジションごとに分析してみましょう。
〈GK&DF〉
まずは何と言っても、正GKテア・シュテーゲンの活躍無くして今シーズンは語れないですね。
ラ・リーガ(第21節終了時点)全21試合に先発出場し、クリーンシートはリーグ断トツの16試合を記録。
ラ・リーガ全体で脅威の失点数7の堅守の中心として君臨しています。
DFラインが試合ごとに流動的になりながらも、正確なコーチングでリードし、反射神経の高さを生かし、ピンチから救うセービングを見せています。
今後も負傷離脱が無い限り、テア・シュテーゲンが正GKとして君臨することでしょう。
第2GKには、カンテラ出身のイニャキ・ペーニャが控えており、国王杯やチャンピオンズリーグでも先発起用されています。
DFラインは、これまでと同じく4バックを基本としています。
CBは新加入のクリステンセンとアラウホのコンビが定着してきました。
対人の強さを誇るアラウホと足元の技術に長けたクリステンセンのコンビは攻守両面で貢献度の高い活躍を見せています。
特にラ・リーガでの初シーズンとなったクリステンセンのフィットぶりは大きかったですね。
バックアッパーにはエリック・ガルシアやマルコス・アロンソも控えており、比較的充実しています。
RSBには新加入のクンデが定着してきました。
加入当初はCBとRSBで併用されていましたが、ここ最近はRSBでの起用が定着してきました。
攻撃面では物足りなさはあるものの、前半戦でのバルセロナの課題として挙げられていたサイドバックの守備対応の遅さという点では、ポジショニングや対人守備の強さを生かし、堅守に大きく貢献する活躍を見せています。
またバックアッパーには、セルジ・ロベルトが控えています。
またLSBにはカンテラ出身のバルデが定着してきました。
これまではジョルディ・アルバが主力として活躍してきましたが、バルデの台頭により世代交代が進んでいくことでしょう。
カタールW杯のスペイン代表にも選出されたバルデの今後の成長も大きく注目されます。
〈MF〉
アンカーは、ブスケツがグアルディオラ政権時から務めており、黄金時代を知る数少ないプレーヤーとして、現在はチームのキャプテンを務め、今シーズンもリーグ戦(第21節終了時点)18試合に出場しています。
シャビ監督としても、バルセロナの哲学を体現できる貴重な存在として、全幅の信頼を寄せています。
しかし、ブスケツとの契約は今シーズン限りで満了となりますが契約更新せず、今シーズン限りの退団が有力視されています。
ブスケツ欠場時はフレンキー・デ・ヨングがアンカーを務め、バレンシアにレンタル移籍中のニコ・ゴンサレスの復帰の可能性もありますが、今シーズン終了後はまずブスケツの後継者候補の獲得に動いていくことになるでしょう。
そして、ペドリとガビはチームの顔ともいえる存在へと成長してきましたね。
ペドリはこれまでの巧さに加え、レヴァンドフスキのポストプレーにより、積極的にボックス内に侵入し、ゴールを狙っていく怖さもつけてきました。
リーグ戦ではレヴァンドフスキに次ぐ、チーム2位の6得点を決めており、今後もチームの軸として攻撃陣を牽引していくことでしょう。
ガビもペドリほどの得点数はないものの、リーグ戦全21試合に出場し、積極的にチャンスに関与しています。
ペドリとガビのコンビは、かつてのシャビとイニエスタのような破壊力を持つ存在へと今後も成長していくことでしょう。
一方、新戦力のケシエはやや苦戦を強いられています。
現スカッドにはいないフィジカルの強さと運動量を武器とするケシエですが、リーグ戦での先発出場はわずか3試合のみとなっており、ポジショニングや繋ぎの面などで、ラ・リーガの適応に苦しんでいる印象を受けます。
後半戦の巻き返しにも期待したいところですが、サラリーキャップの問題が来シーズン以降も付きまとい、フレンキー・デ・ヨングと共にオファー次第では移籍に動く可能性もあるでしょう。
〈FW〉
バイエルン・ミュンヘンで在籍8シーズンで公式戦通算344得点を記録した世界屈指のストライカーのレヴァンドフスキは、ラ・リーガ1年目でも相変わらずの得点力を見せ、得点ランキングでリーグトップの14得点(第21節終了時点)を記録しています。
W杯中断期間から再開後はリーグ戦1得点と少しペースは落ちていますが、それでも勝ち切るチームの強さもあり、今後のレヴァンドフスキの爆発により、さらにリーガ優勝へと突き進んでいくことでしょう。
RWGは、昨シーズン後半戦でシャビ監督の下で覚醒したデンベレが、今シーズンも引き続きチームの攻撃を活性化させる役割を果たし、リーグ戦(第21節終了時点)18試合で5得点5アシストを記録しています。
この夏の移籍市場では、同じ左利きのRWGのハフィーニャが加入しましたが、ハフィーニャが先発起用される場合には、デンベレがLWGに回ることもあり、両足の技術と精度の高さを生かし、チャンスメイクしていきます。
LWGはガビ、ファティ、デンベレなどが起用され固定されていませんが、ファティの成長とLWG定着に期待したいですね。
シャビ監督も先発起用自体は少ないものの、第21節ビジャレアル戦までリーグ戦全20試合に出場させ、継続的に出場機会を与えています。
16歳でラ・リーガデビューを果たし、19-20シーズンは7得点を決めたものの、ここ数シーズンは出場機会を得ることが出来ず、結果を残すことが出来ませんでした。
しかし今シーズンはリーグ戦3得点3アシストを記録し、カタールW杯のスペイン代表にも選出され、19-20シーズンのキャリアハイの成績を更新する勢いも見せています。
チームの背番号“10”を背負うプレッシャーもあるものの、まだ20歳と若く長期的なプランでバルセロナのエースへと成長していくことに期待したいと思います。
昨シーズンの冬の移籍期間で加入したフェラン・トーレスは、今シーズン、リーグ戦18試合に出場し2得点を記録していますが、先発出場はわずか6試合で、W杯中断期間から再開後のリーグ戦では先発起用はありません。
前線の全てのポジションに対応できるユーティリティ性はあるものの序列は低く、途中出場した第16節アトレティコ・マドリード戦でのサヴィッチとの小競り合いからの退場といった悪い一面が際立ってしまっています。
これからの活躍にも期待したいですが、今後の状況次第では移籍の話も出てくることでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、バルセロナの最新移籍情報まとめ、ならびに22-23シーズン後半戦のスタメン・フォーメーション予想をお伝えいたしました。
2023年に入ってから好調ぶりを維持し、ラ・リーガでは宿敵レアル・マドリードとの勝ち点差を広げつつあるバルセロナですが、シャビ監督はリーガ第20節セビージャ戦で勝利後、「今のチャンピオンはマドリーで、…油断できない。彼らを死んだとみなすわけにいかない。私は選手として、彼らの逆転劇を経験した。監督として、それを起こしたくない。」とコメントし、まだ安心できる立ち位置ではないと気を引き締めています。
今後は宿敵レアル・マドリードとのデッドヒートが繰り広げられますが、まずは3/19(日)に予定されている今シーズン2度目のクラシコまでに勝ち点差を縮められず、前半戦では黒星を喫したクラシコでリベンジを果たし、ラ・リーガ制覇に向けて、突き進んで欲しいですね。
チャンピオンズリーグは2シーズン連続でグループステージ敗退となってしまいましたが、ペドリやガビを新時代のバンディエラとして据えつつポゼッションだけでなく、守備での強さをベースとした新しいバルセロナのスタイルを今シーズン後半戦で築き上げていけば、来シーズン以降、再び欧州でのタイトル戦線に絡んでいくバルセロナの姿を取り戻すことが出来るでしょう。
まずはファンを安心させるためにも、4シーズンぶりのラ・リーガ制覇を成し遂げて欲しいですね。
シーズン後半戦のバルセロナの戦いぶりにも注目していきましょう。
いつもありがとうございます!
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