“Devils”の皆さん、こんにちは。
トップ戦線にほとんど絡めず不甲斐ない昨シーズンからの巻き返しを図るべく、今シーズンからは、アヤックスを率いていたテン・ハーグが新監督に就任し、プレミアリーグ開幕前には、ブレントフォードからエリクセン、フェイエノールトからマラシア、そしてテン・ハーグ監督が率いていたアヤックスからリサンドロ・マルティネスを獲得し、新シーズン開幕を迎えました。
しかし、開幕戦はホームでブライトンに1-2で敗れ、第2節ブレントフォード戦は守備が崩壊し、0-4の大敗を喫してしまい、またしてもかと、ファンに不安を抱かせる滑り出しとなってしまいました。
この状況を受け、レアル・マドリードからカゼミーロ、そしてアヤックスからアントニーを獲得し、その後第3節リバプール戦では2-1で勝利、開幕から試みていたポセッションサッカーではなく、前線の加速力を活かしたカウンターサッカーを展開すると、その後リーグ戦4連勝、さらに第6節アーセナル戦にも3-1で勝利しました。
しかしこのまま勢いに乗るかと思いきや、第9節のマンチェスター・ダービーでは前半だけで4失点を奪われ敗北を喫し、昨シーズンほど大崩れしているわけではないですが、首位アーセナルとは11pt、2位マンチェスター・シティとは6ptの差をつけられ、カタールW杯の中断期間に入る前に、リーグ戦5位で折り返しました。
カタールW杯期間中には、不満分子として表面化していたクリスティアーノ・ロナウドとの契約解除が発表されました。
その影響かどうか分かりませんが、カタールW杯の中断期間から再開後のリーグ戦では、9試合で6勝2分け1敗と好調をキープしています。
首位アーセナルには惜しくも敗れたものの、前半戦では大敗を喫したマンチェスター・ダービーでは2-1で見事逆転勝利を収め、現在リーグ戦(第23節終了時点)で、アーセナル、マンチェスター・シティと勝ち点差5ptの3位につけています。
これまで獲得してきた新戦力が期待されていた活躍を見せることが出来ず、補強戦略の拙さが目立っていたマンチェスター・ユナイテッドですが、今シーズンは獲得した新戦力がテン・ハーグ監督の下で主力として活躍し、さらに若手の台頭、そしてラッシュフォードの覚醒といった明るい話題もあります。
冬の移籍市場でも大型補強に走るのではなく、現在のシステムをベースとして、堅実な補強を行いました。後半戦でも好調を維持し、上位戦線に食い込んでいきたいですね。
ということで今回は、マンチェスター・ユナイテッドの22-23シーズン後半戦の
- 最新移籍情報まとめ
- スタメン・フォーメーション予想
- まとめ
の順にお伝えしていきます。
最新移籍情報まとめ
22-23シーズン冬の移籍期間での選手の動きは以下の通りです。
〈IN〉
pos. | 選手名 | 年齢 | 前所属 | 移籍形態(移籍金) |
GK | ジャック・バトランド | 29 | クリスタル・パレス | レンタル移籍(23年6月末まで) |
MF | マルセル・ザビッツァー | 28 | バイエルン・ミュンヘン | レンタル移籍(23年6月末まで) |
FW | ワウト・ヴェグホルスト | 30 | バーンリー | レンタル移籍(296万€、23年6月末まで) |
ワウト・ヴェグホルスト(オランダ代表)
Wout Weghorst in the #10 role Ten Hag is tactical genius | #woutweghorst #weghorst #ManchesterUnited #ManUnited #MUFC #LEEDSUTD pic.twitter.com/WYbiBZoyVp
— ZicoYT (@Zico7yt) February 12, 2023
生年月日:1992年8月7日(30歳)
ポジション:CF
197㎝の身長を生かした空中戦の強さに加え、起点やスペースを作り出す動き出しや、守備時での献身的なプレスも見せるストライカーです。
カタールW杯のオランダ代表にも選出され、準々決勝のアルゼンチン戦では途中出場ながら2得点を上げる活躍を見せました。
昨シーズンはヴォルフスブルクとバーンリーでプレーし、今シーズンの前半戦はベジクタシュでプレー、リーグ戦16試合で8得点4アシストを記録、さらにカタールW杯での活躍を受け、クリスティアーノ・ロナウドの穴埋めとして白羽の矢を立て、今シーズン終了までのレンタル移籍で獲得しました。
テン・ハーグ監督もヴェグホルストを高く評価し、「彼は私がスカウティングした選手だ。…彼は信じられないほどのメンタリティを持っている。しかも彼は守備でもチームに価値を与えることができるんだ。」とコメントしています。マルシャルの負傷離脱もあり、プレミアリーグでは1/18の第7節クリスタル・パレス戦から5試合連続でスタメン起用され、これまでユナイテッドにはなかった高さというオプションと、献身性という武器を手に入れています。
とはいえ、長期的なオプションとして計算されているかどうかと言われると、そうとも言い切れず、ヴェグホルスト自身も「結局は至ってシンプルだ。ストライカーはゴールで判断される。」とコメントし、「もちろん、残りたいけど、まずは僕がチームとこのクラブにとって価値ある存在になれるのを証明する必要がある。」と気を引き締めています。
後半戦の活躍で、来シーズン以降のユナイテッド残留を勝ち取ることが出来るのか、注目です。
マルセル・ザビッツァー(オーストリア代表)
Welcome to Manchester United Marcel Sabitzer pic.twitter.com/IhqZzaMfq2
— Tinka (@UtdCode) February 1, 2023
生年月日:1994年3月17日(28歳)
ポジション:CMF、OMF、RWG
パスやシュートの正確性は水準以上のものを持ち、スペースへの動き出しや豊富な運動量を武器とするボックス・トゥ・ボックス型のCMFです。
エリクセンの長期の負傷離脱を受け、冬の移籍期間終了間際に急遽レンタル移籍での獲得が実現しました。
ナーゲルスマン監督が指揮を執っていたライプツィヒ時代では、絶対的な主力として活躍し、ナーゲルスマン監督の後を追うような形で昨シーズン夏にバイエルン・ミュンヘンに移籍しました。
しかしバイエルンではライプツィヒ時代のように定位置を確保出来る活躍を見せることは出来ず、昨シーズンはリーグ戦25試合で1得点1アシスト、今シーズンもリーグ戦15試合に出場していましたが、スタメン起用はわずか7試合にとどまっていました。
1/29に行われたFAカップ4回戦のレディング戦で負傷交代したエリクセンが、検査の結果、足首の故障により3カ月程度の長期離脱を強いられることになり、その後わずか12時間程度でザビッツァーとの契約をまとめあげました。
フロントの迅速な動きも評価されるとともに、サビッツァーも加入後早速2/4に行われたプレミアリーグ第22節クリスタル・パレス戦に出場し、その後リーグ戦2試合に先発出場しています。
まだ加入したばかりですが、早くも完全移籍に向けた動きもあるとされており、バイエルン側から1800万ポンド(約28億9000万円)の要求額を提示されたとの報道もあります。
とはいえ、まずはユナイテッドで結果を出すことが求められますね。後半戦の活躍にも注目です。
〈OUT〉
pos. | 選手名 | 年齢 | 移籍先 | 移籍形態(移籍金) |
GK | マルティン・ドゥブラフカ | 33 | ニューカッスル | レンタル終了 |
FW | クリスティアーノ・ロナウド | 37 | アル・ナスル | 完全移籍(フリー、2年半契約) |
クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)
アルナスルに加入したクリスティアーノ・ロナウドの入団セレモニー#クリスティアーノ・ロナウド #CR7 pic.twitter.com/E3VSkZeJpH
— ふろ松 (@46Ma2Frontale) January 3, 2023
生年月日:1985年2月5日(37歳)
ポジション:CF、LWG、RWG
昨シーズン、13シーズンぶりの電撃復帰を果たし、リーグ戦30試合で18得点を上げたものの、かつてのような圧倒的な働きをシーズンを通して見せることは出来ず、今シーズンは開幕からベンチを温める日々が続いていました。
次第にフラストレーションがたまり、第12節トッテナム戦では試合終了を待たずに途中帰宅し、その後のインタビューで「クラブに裏切られた」「テン・ハーグ監督からのリスペクトを感じられない」とコメントし、不満分子として表面化していました。
クラブは事態を重く受け止め、契約解除に向けて動き出し、カタールW杯期間中の昨年11月22日に双方合意の上、契約解除に至ったことを発表し、カタールW杯終了後の昨年12月31日にサウジアラビアのアル・ナスルへの加入が発表されました。
契約期間は2025年6月末までの2年半契約となり、年俸は約2億ユーロ(約281億円)近くになるとのことです。
かつての背番号“7”の帰還も、昨シーズンの観客のスマートフォンを叩き落すなどの問題行動もあり、多くのファンを満足させる結果には至りませんでした。
37歳となり、キャリアも終盤を迎えつつありますが、今後もクリスティアーノ・ロナウドの動向には各方面からの注目が集まりますね。
スタメン・フォーメーション予想
22-23シーズンのマンチェスター・ユナイテッドの基本フォーメーション予想は以下の通りです。
各ポジションごとに分析してみましょう。
〈GK&DF〉
正GKにはデ・ヘアが起用されています。
テン・ハーグ監督はGKにもビルドアップの参加を求めていますが、デ・ヘアはそういったプレーを不得手としており、第2節ブレントフォード戦ではビルドアップ時でのミスを突かれて、失点を喫してしまいました。
しかし、その弱点を覆い隠すがごとく、幾度もビックセーブを見せ、チームをピッチから救っています。
とはいえ、デ・ヘアとの契約は今シーズン終了までとなっており、ラッシュフォードら4選手に行使した1年の契約延長オプションを未だデ・ヘアには行使しておらず、来シーズン以降の去就が不透明の状況となっています。
今後、正GK候補の獲得の噂が多く出てくることでしょう。
控えGKには、前半戦はニューカッスルからドゥブラフカを半年レンタルで獲得し、後半戦は半年レンタルでクリスタル・パレスからバトランドを獲得しています。
DFラインは、これまでと同じく4バックを基本としています。
開幕2試合では、マグワイアが先発起用されましたが、昨シーズンと同じくビルドアップでのミスやスピードの遅さが目立ち、第3節リバプール戦以降は、ヴァランと新加入のリサンドロ・マルティネスがCBとして起用されるようになっています。
ビルドアップと機動力で計算できるCBコンビは、崩壊が目立ったユナイテッドの守備の立て直しに貢献し、堅守を見せています。
2人が欠場時ではLSBのショーがCBに入るなど、テン・ハーグが求めていることは明白になっています。
RSBはリーグ前半戦はダロトがフル稼働していました。
しかし、W杯中断期間から再開後のリーグ戦は、カタールW杯からの疲労やカラバオカップでの負傷離脱により欠場し、その間はワン・ビサカが起用されていました。
これまで構想外とされており、リーグ前半戦での先発出場は無かったものの、第17節ノッティンガム・フォレスト戦で先発起用されて以降、リーグ戦7試合で先発出場を果たしました。
持ち味の対人守備の強さはもちろんのこと、攻撃参加のタイミングの良さも見せ、これまでの評価を覆すような活躍を見せています。
今後は、ダロトとワン・ビサカのハイレベルなポジション争いにも注目ですね。
LSBは、ショーとマラシアのポジション争いが繰り広げられています。
開幕時はマラシアがLSBとして起用されることが多かったですが、第10節エバートン戦以降はショーが再びLSBで先発起用されるようになりました。
W杯中断期間から再開後のリーグ戦では、ショーがCBで起用されることもあり、LSBでマラシアが先発起用されることも多くなりました。
今後はポジション争いだけでなく、二人の起用法にも注目ですね。
〈MF〉
CMFの補強は、長年ユナイテッドのメインテーマとなってきましたが、今シーズン加入したカゼミーロの活躍により、その課題も解決に向かっていくことでしょう。
レアル・マドリードのアンカーとして、チャンピオンズリーグ3連覇をはじめ多くのタイトル獲得に貢献してきたカゼミーロは、これまでユナイテッドの中盤に無かった守備の強度の高さに加え、安定性や統率力の高さを見せ、今やユナイテッドにとって最も欠かせない戦力の一人となりました。
第22節クリスタル・パレス戦で退場処分になって以降、欠場した数試合はカゼミーロ不在の影響を感じさせる展開になっていました。
カゼミーロのパートナーは、セレソンでもコンビを組むフレッジが主に務め、運動量の多さと機動力の高さを駆使し、ボール奪取能力の高さを見せています。
まだカゼミーロとコンビは組んでいないものの、新加入のザビッツァーは運動量と攻撃センスの高さを随所に見せ、今後は攻撃的にいくか守備的にいくかで、どちらを起用してくるかが変わってくることでしょう。
一方、生え抜きのマクトミネイはカゼミーロがスタメンに定着して以降、ベンチを温める日々が続いています。若手のイクバルやメイノーのリーグ戦での起用があるかどうかも注目ですね。
そして司令塔は、ゲームキャプテンを務めるブルーノ・フェルナンデスが確固とした立場を築き、リーグ戦(第23節終了時点)22試合に先発出場し、5得点4アシストを記録、チームの攻撃を牽引しています。
アヤックス時代の恩師であるテン・ハーグ監督の就任により、復活が期待されていたファン・デ・べークですが、ブルーノ・フェルナンデスを脅かすまでには至らず、今シーズン2度目のリーグ戦先発となった第19節ボーンマス戦で、膝の負傷を負い、今季絶望となってしまいました。
〈FW〉
RWGは開幕数試合はサンチョが務めていましたが、夏の移籍期間終了間際に獲得したアントニーが第6節アーセナル戦で先発起用されて以降、リーグ戦3試合連続でゴールを決め、RWGのファーストチョイスとなっています。
アントニー欠場時は、若手のエランガが起用され、第15節アストン・ヴィラ戦以降、約3ヵ月近く戦線離脱していたサンチョの復帰や、若手のぺリストリの起用など、様々なオプションを控えています。
開幕時はLWGはラッシュフォードが起用され、前線の加速力を生かしたカウンターサッカーでは、近年の不調を忘れさせる活躍を見せています。
カタールW杯でのイングランド代表では3得点を決め、その勢いそのままに、W杯中断期間から再開後のリーグ戦では9試合で8得点1アシストと神懸った活躍を見せています。
/
ラッシュフォード
ロナウド化!?
\#リーズ 0-2 #マンチェスター・Uラッシュフォードが、プレミア4戦連続弾を記録しました。
今まではあまり見られなかったヘディングでの2戦連発に、ファンの中で”ロナウド化”と話題になっています。#プレミアリーグ全試合観られるのはSPOTVNOWだけ pic.twitter.com/hltPDuAuXH
— SPOTV NOW JAPAN (@SPOTVNOW_JP) February 13, 2023
試合途中でLWGからCFにポジションチェンジすることもあり、そこで途中投入された若手のガルナチョもリーグ戦で結果を残す場面も多くなっています。
サンチョの復帰もあり、好調のラッシュフォードを生かす戦術のオプションも増えてくることでしょう。
クリスティアーノ・ロナウドが抜けたCFには、冬の移籍期間でヴェグホルストを獲得し、これまでユナイテッドの前線にはなかった高さというオプションを加えました。
マルシャルも、シーズン前半戦のマンチェスター・ダービーでは2得点を決めたものの、負傷離脱を繰り返し、ラッシュフォードをCFで起用する試合もありました。
ヴェグホルスト獲得により、ポストプレーでの起点だけでなく、動き出しや守備時での献身的な動きなどで、テン・ハーグ監督が目指すサッカーをより体現できることでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、マンチェスター・ユナイテッドの最新移籍情報まとめ、ならびに22-23シーズン後半戦のスタメン・フォーメーション予想をお伝えいたしました。
現在、プレミアリーグ(第23節終了時点)ではアーセナル、マンチェスター・シティと勝ち点差5ptの3位につけ、4位ニューカッスルとは勝ち点差5ptをつけています。
トッテナム、リバプール、チェルシーの躓きもありますが、今シーズンのユナイテッドは上位にふさわしい戦いぶりを見せています。
今シーズンはアーセナル、マンチェスター・シティとの対戦は終わりましたが、リーグ戦での取りこぼしなく、まずは昨シーズン獲り逃したチャンピオンズリーグ出場権獲得を獲得してほしいですね。
2/26(日)には、カラバオカップ決勝でニューカッスルと対戦します。
まずはカラバオカップを制し、今後に弾みをつけてほしいですね。
テン・ハーグ監督の下、久々にプレミアリーグの上位戦線に食い込み、強さを発揮しているマンチェスター・ユナイテッドのシーズン後半戦の戦いぶりにも注目していきましょう。
いつもありがとうございます!
コメント