ナポリスタの皆さん、こんにちは。
2シーズン連続でチャンピオンズリーグ出場権を逃し、巻き返しを図るべく、スパレッティ監督を招聘した昨シーズンは開幕8連勝と最高のスタートを切り、冬の移籍期間に入る前はインテルやミランと首位争いを繰り広げていましたが、終盤に近づくにつれ取りこぼしが多くなり、優勝争いから脱落しましたが、3位でのフィニッシュとなり、3シーズンぶりのチャンピオンズリーグ出場権獲得となりました。
しかし、この夏の移籍市場では、これまでチームの主力として活躍してきたクリバリ、メルテンス、インシーニェ、ファビアン・ルイスらがチームを去り、チームの陣容は大きく入れ替わりました。
生まれ変わった“Newナポリ”は、今シーズン、セリエAだけでなく、ヨーロッパを席巻する活躍を見せています。
リーグ戦は第5節ラツィオ戦から怒涛の11連勝など、W杯中断前までは負けなしで折り返しました。
中断明けのリーグ戦初戦となった第16節インテル戦で初黒星を喫してしまったものの、その後はリーグ戦8連勝を挙げ、前半戦の勢いを引き続き保っています。
第18節ユベントス戦では5-1と圧勝し、攻撃力の高さを見せつけましたね。
ユベントスの勝ち点剥奪や、ミラン、インテルの躓きも重なり、現在セリエA(第25節終了時点)で2位に15pt差をつけ、堂々首位を走っています。
そして3シーズンぶりのチャンピオンズリーグでは、グループステージ第1節でリバプールを4ー1で下し、圧倒的な攻撃力を見せていました。
その後もアヤックス、レンジャーズにも勝利し、グループステージ最終節でリバプールに0-2で敗れたものの、グループ首位で決勝トーナメント進出を果たしました。
決勝トーナメント1回戦1stレグのフランクフルト戦もアウェーで2-0で勝利し、セリエAと同様、チーム力の高さを見せつけています。
今シーズンは何と言っても新戦力の活躍が大きく、CBのキム・ミンジェは対人の強さを発揮し、リーグトップの失点数16の堅守を誇るナポリの守備陣を支え、LWGのクラワツヘリアは持ち味のドリブルと決定力の高さで、ナポリの新しい攻撃陣のアイコンとなり、早くも“クラワドーナ”の異名も付けられるほど、チームの中心になっています。
財政難問題を抱えつつ、限られた予算で新戦力を発掘し、一気に主力に成長させるナポリの補強戦略の成功例として、今シーズンは特に大きく名を上げ、シーズン終了後には名だたるビッククラブから獲得の噂が多く出てくることでしょう。
圧倒的な攻撃力を見せ、若手が躍動するナポリのサッカーは、ヨーロッパ中を魅了し、その完成度の高さから、経験値が高いビッククラブを押しのけ、チャンピオンズリーグの優勝候補に推す声も多く、元イタリア代表DFアレッサンドロ・コスタクルタ氏は「今のナポリは欧州のどのクラブよりも強い。マンチェスター・シティよりもだ。」とコメントしています。
また、かのディエゴ・マラドーナが在籍していた1989-90シーズン以来、実に33年ぶりのスクデット獲得に着実に向かっているナポリについて、元オランダ代表のレジェンド、ルート・フリット氏も「あの頃のナポリはマラドーナに依存していたが、このナポリは総合的なチームであり、組織的なサッカーで楽しませてくれる。トリコロール(リーグ優勝)を勝ち取ることが出来るし、ヨーロッパでも躍進するだろう。」とコメントしています。
タイトルを獲得出来るかどうかまだ分かりませんが、いずれにせよ、今シーズンのナポリのサッカーは多くのサッカーファンを魅了し、記憶に残るチームとして語り継がれることになるでしょう。
ということで今回は、ナポリの22-23シーズン後半戦の
- 最新移籍情報まとめ
- スタメン・フォーメーション予想
- まとめ
の順にお伝えしていきます。
最新移籍情報まとめ
22-23シーズン冬の移籍期間での選手の動きは以下の通りです。
〈IN〉
POS. | 選手名 | 年齢 | 前所属 | 移籍形態(移籍金) |
GK | ピエルルイジ・ゴッリーニ | 27 | アタランタ | レンタル(23年6月末まで。買取OP付) |
DF | バルトシュ・ベレシンスキ | 30 | サンプドリア | レンタル(23年6月末まで。買取OP付) |
〈OUT〉
POS. | 選手名 | 年齢 | 移籍先 | 移籍形態(移籍金) |
GK | サルバトーレ・シリグ | 36 | フィオレンティーナ | 完全移籍(フリー、半年契約) |
DF | アレッサンドロ・ザノーリ | 22 | サンプドリア | レンタル(23年6月末まで) |
この冬の移籍市場での動きは、RSBのバックアッパーと控えGKの入れ替えにとどまり、現スカッドに変化を加えるような補強は行いませんでした。
スタメン・フォーメーション予想
22-23シーズンのナポリの基本フォーメーション予想は以下の通りです。
各ポジションごとに分析してみましょう。
〈GK&DF〉
正GKは、イタリア代表GKアレックス・メレトが務めます。
昨シーズンはオスピナが正GKを務め、好不調の波があるメレトは控えにとどまっていました。
今シーズンは退団したオスピナの代わりに正GKを務めることに不安も囁かれましたが、その不安を払拭するかの如く、安定感あるパフォーマンスを見せ、リーグ戦(第25節終了時点)全試合で先発起用されています。
控えGKには、前半戦はベテランのシリグ、後半戦はゴッリーニといった実力者がいますが、メレトのパフォーマンスがこのまま良ければ、なかなか出番は訪れないことでしょう。
DFラインですが、4バックの2CBはキム・ミンジェとラフマニのコンビが定着しています。
特にキム・ミンジェは、身長189㎝を生かした空中戦や対人の強さに加え、スピードやビルドアップ能力の高さもあり、リーグトップのパス成功数(1773本)を記録するなど、最後方からナポリの攻撃的なサッカーの起点となります。
加入1年目から、ディフェンス・リーダーとして君臨する活躍を見せ、退団したクリバリの穴を見事に埋めていますね。
Buonasera, io penso che quest’uomo nella formazione del Napoli abbia la STESSA IMPORTANZA di Kvaratskhelia ed Osimhen.
Sarebbe sciocco affermare il contrario.
KIM MIN JAE!
— I Gigi 78 I (@Vicidominus) March 1, 2023
CBのバックアッパーには、ファン・ジェズスとエスティゴーアといった実力者もいますが、キム・ミンジェとラフマニのコンビが安定しており、なかなか出場機会を得ることが出来ていません。
サイドバックは、右はディ・ロレンツォ、左はマリオ・ルイ、もしくはマティアス・オリベイラが務めます。
RSBのディ・ロレンツォはチームのキャプテンとして、ここまでリーグ戦(第25節終了時点)全25試合に先発起用され、途中交代したのは第10節サッスオーロ戦のみで、残り全試合は90分間フル出場しています。
蓄積疲労も懸念されていますが、冬の移籍市場では両サイドバックに対応できるベテランのベレシンスキを獲得し、ディ・ロレンツォの負担もいくらか和らぐことも期待されます。
LSBはマリオ・ルイとマティアス・オリベイラがポジション争いを繰り広げていますが、マリオ・ルイはリーグ戦18試合に先発起用されており、やや優位に立っています。
縦への推進力はマティアス・オリベイラの方が強い印象がありますが、細かい繋ぎや組み立て、守備対応の巧さではマリオ・ルイがやや勝っており、リーグ全体で4番目の6アシストを記録するなど、結果もしっかり残しています。
とはいえお互いの持ち味は異なり、試合展開や対戦相手によっては、様々なバリエーションも見られることでしょう。
〈MF〉
アンカーは、ロボトカが不動の地位を確立しつつあります。
足元の技術の高さとパス精度の高さを誇るロボトカは、今シーズンは開幕から先発起用され、リーグ戦全25試合に出場し、パス成功数はリーグ全体で2位(1443本)、パス成功数はリーグトップの94.44%を記録、前線への繋ぎ役としての役割をしっかりと果たしています。
また守備面でも、チームトップのタックル成功数(57回)を記録し、攻守両面で欠かせない存在となっています。
2020年冬にセルタからナポリに加入後、ファビアン・ルイスやデンメといった強力なライバルたちとの競争に後れを取っていましたが、今シーズンは開幕から自身の持ち味を発揮し、加入後最も充実したシーズンとなっています。
2枚のインサイドハーフは、ザンボ・アンギサとジェリンスキが務めます。
ザンボ・アンギサは昨シーズン同様、屈強なフィジカルを活かした対人守備の強さを見せ、相手の攻撃の芽を摘み取るだけでなく、長短問わずパス精度の高さを誇り、ゲームメイクに大きく貢献するなど、攻守両面で計算できる万能型MFとして、活躍しています。
そしてジェリンスキは、持ち前の攻撃センスの高さを生かし、推進力の強いドリブル突破や精度の高いパスを前線に供給するなど、積極的にチャンスメイクしていきます。
定位置確保までには至っていませんが、エリフ・エルマスも攻撃性の高さを生かし、リーグ戦6得点を上げ、インサイドハーフだけでなく、LWGでも起用されるなど、ユーティリティ性も見せています。
またエンドンベレも、精彩を欠いたトッテナム時代と比べると、やや調子を取り戻しつつあり、出場機会も増えています。
〈FW〉
両ウイングですが、右はロサーノ、左はクラワツヘリアが務めます。
RWGのロサーノは、スピードとテクニックの高さを生かしたドリブル突破でチャンスメイクしていき、クラワツヘリアに次ぐチーム2位、リーグ全体では4位(33回)のドリブル成功数を記録しています。
ロサーノはやや直線的なドリブラータイプに対して、バックアッパーのポリターノやラスパドーリはカットインタイプであり、試合展開や対戦相手によって様々な選手起用が見られるでしょう。
そしてLWGのクラワツヘリアは、今シーズンのナポリの躍進の象徴といっても過言はないでしょう。
Pemain Target ManCity – Khvicha Kvaratskhelia – 2022/23.pic.twitter.com/M6gEDNRf7g
— Pantau City Indonesia (@PantauManCity) February 25, 2023
ここまでリーグ戦(第25節終了時点)21試合に出場して、リーグ全体で5位の10得点、リーグトップの11アシストを記録、ドリブル成功数はラファエル・レオン(ミラン)に次ぐリーグ2位の37回を記録しています。
足元に吸い付くようなドリブルスキルの高さとシュート精度の高さから、早くも“クワラドーナ”の異名が付けられ、昨シーズン限りで退団したインシーニェやメルテンスの存在を忘れさせる活躍を見せています。
今後も調子を落とすことなく活躍し続ければ、シーズンMVPの有力候補に挙げられるだけでなく、新たなクラブのアイコンとして、その名をさらに轟かせることでしょう。
最後に、不動の1トップはチームのエースストライカーに成長したオシムヘンが務めます。
⚽ #オシムヘン のビューティフル・ゴール!🔥
週末のローマ戦を2-1で制し、リーグ戦 4連勝を果たしたセリエA 首位の #ナポリ。
前半17分には #クヴァラツヘリア のクロスをオシムヘンが胸&右太ももでコントロール、強烈なボレーシュートを叩き込む!
🎥:@SerieA_ENpic.twitter.com/btZbZOYAND
— GOAL Japan (@GoalJP_Official) January 30, 2023
フィジカルの強さと類まれな身体能力を生かし、スピードで一気に抜き去るだけでなく、跳躍力の高さやパワーで押し切る強さを見せ、相手チームの脅威となっています。
単独でも決めきる力はありますが、ウイングや中盤との連携も冴え、得点力の高さにさらに磨きがかかっています。
ここまでリーグ戦21試合で19得点を記録し、現在セリエAの得点ランキングでは、2位に6点差をつけ、堂々の首位を走っています。
カタールW杯中断期間から再開後のリーグ戦では、第17節サンプドリア戦から8試合10得点と、爆発的なペースで得点を量産し、今シーズンのゴールデンシューランキングでも、1位のハーランド(マンチェスター・シティ)に迫る勢いを見せています。
絶対的な存在となりつつあるオシムヘンに加え、バックアッパーには新加入のジオヴァン二・シメオネも控え、前線の層の厚さは他クラブと比べ、特に際立っています。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、ナポリの最新移籍情報まとめ、ならびに22-23シーズン後半戦のスタメン・フォーメーション予想をお伝えいたしました。
カタールW杯中断期間から再開後のリーグ戦初戦でいきなり黒星を喫し、前半戦の勢いも飲み込まれてしまうかと思いきや、その後は怒涛の連勝街道を走り、2位以下に15pt近い勝ち点差をつけています。
上位陣との対戦も残っており、まだ安全圏内とは言い切れませんが、33年ぶりのスクデットに向けて突き進んでいってほしいですね。
そしてチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦1stレグでは、フランクフルトにアウェーで2-0で勝利し、幸先の良いスタートを切りました。
3/15(水)にホームで行われる2ndレグでは、勝利はもちろんのこと、スコア以上のチーム力の差をみせれるか期待です。
ベスト8以降のドローの結果次第ではありますが、欧州中も魅了するサッカーで、ビッククラブと互角の勝負を繰り広げてほしいですね。
1980年代後半は2度のスクデットを獲得し、イタリア国内で強さを誇ったナポリですが、財政悪化によりチーム力は次第に落ちていき、セリエB降格、そして2004年は破産宣告を受け、セリエCに降格してしまいました。
その後デ・ラウレンティス会長が就任し、若手を中心とした長期的なチーム造りを掲げ、セリエAに復帰し、上位戦線に絡んできたナポリが再びイタリアの盟主に返り咲こうとしています。
熱狂的なサポーターによって、ナポリの街をお祭り騒ぎにすることが出来るのか、後半戦のナポリのサッカーに注目ですね。
いつもありがとうございます!
コメント