サッカーファンの皆様、こんにちは。
21-22シーズンも残り少なくなり、各国リーグの優勝チームもある程度絞られてきましたね。
ヨーロッパのカップ戦もベスト8まできましたが、カップ戦の優勝予想をするのはなかなか難しく、今シーズンも最後まで冷や汗握る激闘が繰り広げられることでしょう。
今シーズンから、従来のUEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグに加え、新たにUEFAヨーロッパカンファレンスリーグが創設され、またタイトルが一つ加えられました。
もちろん国内だけでなく、ヨーロッパのタイトルを獲得することだけでも素晴らしいことですが、どのタイトルが重要なのか、またタイトルを獲得すればクラブはどうなるのか、この機会に改めて確認してみましょう。
ということで今回は、
- UEFAチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの違い
- UEFAチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの仕組みや位置づけ
- まとめ
の順にお伝えしていきます。
UEFAチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの違い
UEFAチャンピオンズリーグとは?
そのシーズンのヨーロッパクラブNo.1を決める最高峰の戦いがUEFAチャンピオンズリーグです。
UEFAランキング上位国のリーグ上位クラブと、プレーオフを勝ち抜いたクラブの32クラブで、そのシーズンのヨーロッパNo.1クラブを決めます。
各国リーグの上位クラブが集まるだけに、世界最高峰レベルのスペクタクルな戦いが、最後の最後まで繰り広げられます。
やった〜😂#チェルシー #Chelsea#チャンピオンズリーグ#ブルーズ pic.twitter.com/vNH0GxNQ0q
— 席他 (@3fOOqLHXkiNJ7yB) May 30, 2021
UEFAヨーロッパリーグとは?
UEFAランキング上位国の5・6位クラブ、国内カップ戦優勝クラブ、プレーオフを勝ち抜いたクラブの32クラブに加え、途中からCLのグループステージ3位が加わり、優勝を目指します。
UEFAヨーロッパリーグの優勝チームには、そのシーズンの順位に関わらず、翌シーズンのCL出場権が与えられるため、CL出場権獲得のためにUEFAヨーロッパリーグに全精力を注ぐクラブもあるでしょう。
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— WOWOWサッカー (@wowow_soccer) May 27, 2021
UEFAチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの違い
では、実際に何が違うのかといえば、先ずはチャンピオンズリーグが上位のランクで、その出場権を得られなかったチームが参加するのがヨーロッパリーグだと思えば、分かりやすいでしょう。
そして何と言っても、大きく違うのが賞金額でしょう。
チャンピオンズリーグですが、
- グループステージ出場:1564万ユーロ(約21億円)
- グループステージ勝利:280万ユーロ(約3億8000万円)
- グループステージ引き分け:93万ユーロ(約1億3000万円)
となっています。グループステージに進出するだけでも、賞金が与えられるんですね。
さらに、決勝トーナメントに進出すると、
- ベスト16進出:960万ユーロ(約13億円)
- ベスト8進出:1060万ユーロ(約14億4000万円)
- ベスト4進出:1250万ユーロ(約17億円)
- 準優勝:1550万ユーロ(約21億円)
- 決勝:2000万ユーロ(約27億円)
となっています。
一方、ヨーロッパリーグですが、
- グループステージ進出:363万ユーロ(約5億円)
- グループステージ勝利:63万ユーロ(約8500万円)
- グループステージ引き分け:21万ユーロ(約2800万円)
- グループステージ1位:110万ユーロ(約1億5000万円)
- グループステージ2位:55万ユーロ(約7500万円)
- プレーオフ進出:50万ユーロ(約6800万円)
- ラウンド16進出:120万ユーロ(約1億6000万円)
- ベスト8進出:180万ユーロ(約2億4000万円)
- ベスト4進出:280万ユーロ(約3億8000万円)
- 準優勝:460万ユーロ(約6億2000万円)
- 優勝:860万ユーロ(約11億6000万円)
となり、優勝賞金だけくらべても、CLとの差は大きいですね。
仮に、ヨーロッパリーグでグループステージから全勝で優勝した場合は、
363万ユーロ + 373万ユーロ + 110万ユーロ + 120万ユーロ + 180万ユーロ + 280万ユーロ + 860万ユーロ = 2,286万ユーロ
となり、チャンピオンズリーグのグループステージ敗退組より少ない賞金額になる可能性もあります。
さらに、中継規模や視聴者数も異なります。
日本では、WOWOWがチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ両方とも独占放送していますが、チャンピオンズリーグ決勝は世界約220以上の国と地域で100社以上の放送局によって中継され、視聴者数は3~4億人だと言われています。
NFLスーパーボウルの視聴者数が約9900万人であることからも、UEFAチャンピオンズリーグは世界から注目されているビックイベントの中の一つに数えられると言えます。
ちなみに世界のスポーツイベントの視聴者数ベスト10は以下の通りです。
- ツール・ド・フランス … 35億人
- サッカー・ワールドカップ … 33億人
- クリケット・ワールドカップ … 26億人
- 夏季オリンピック … 20億人
- 冬季オリンピック … 20億人
- 女子サッカー・ワールドカップ … 11億2000万人
- ボクシング … 10億人
- UEFAチャンピオンズリーグ … 3億8000万人
- スーパーボウル … 9900万人
- NCAAファイナル・フォー … 1690万人
これだけ多くの視聴者数を誇るチャンピオンズリーグですので、当然、テレビ放映権料の額も高く、「マーケット・プール」と呼ばれる各国テレビ市場の比例値から分配されるTV放映権料が、各リーグの出場クラブ数や前年のリーグ順位に基づいて、各クラブに分配されます。
放映権料は総額3030万ユーロ(約40億円)ともいわれており、さらにチケット収入やスポンサー収入なども合わせると、さらに多くの賞金を手にすることになります。
もちろん、お金が全てではないのですが…。
スーパーリーグ構想とは?
2021年4月18日、レアル・マドリードを中心とするヨーロッパの12のビッククラブで争われる欧州スーパーリーグ構想が発表されました。
しかし、このスーパーリーグはUEFAの管轄外であり、チャンピオンズリーグに取って代わる大会だと位置づけられたため、UEFAはこの声明に対して反発し、CLや各国リーグ参加資格のはく奪を示唆し、各国サッカー協会もUEFAの姿勢を支持しています。
さらに、ファンの反発も受け、スーパーリーグ構想発表後に脱退を表明するクラブが続出し、現在はレアル・マドリード、バルセロナ、ユベントスの3クラブのみとなり、スーパーリーグ構想は暗礁に乗り上げています。
このスーパーリーグ構想の背景には、何があったのでしょうか。
一つは、コロナ渦による大幅な収入減です。
新型コロナウイルスの蔓延により、昨シーズンは無観客試合が続き、チケット収入や放映権料などでの収入が見込めず、9億100万ユーロ(約1100億円)の負債を抱えていると言われるレアル・マドリードをはじめ、多くのクラブが財政面で大きな影響を受けています。
スーパーリーグの賞金総額は、100億ユーロ(約1兆3000億円)ともいわれ、チャンピオンズリーグとは桁違いですが、毎試合がビッククラブ同士の対戦となると、それだけの賞金を払っても元を取れると踏んだのでしょう。
もう一つは、各クラブの格差です。
チャンピオンズリーグも1990年代から16チームから24チーム、32チームと段階的に出場チームを増やし、24-25シーズンからは36チームに拡大する予定です。
ある程度力を持ったチームが絞られてくる決勝トーナメントになると、拮抗した試合展開になり注目を集めますが、グループステージでは、どうしても実力差があるチームの対戦になると注目度が低くなります。
スーパーリーグ構想の首謀者の一人であるレアル・マドリードのぺレス会長も、「サッカー界を救うため。欧州CLが魅力的なのは準々決勝からで、(それまでは)小さなチームとの試合を強いられている」と現状に対する不満をコメントしています。
しかし、このスーパーリーグ構想は各国リーグ戦の軽視につながり、UEFAをはじめ各国からの反発を招きました。
今シーズンもCLグループステージでシェリフがレアル・マドリードに勝ったように、ビッククラブを打ち破るジャイアントキリングこそサッカーまたスポーツの面白さだと思いますが、スーパーリーグはそういったチャンスを失くし、ファンを引き付けることが出来ないのではないでしょうか。
「サッカー界を救うため」とぺレス会長はコメントしましたが、実際はビッククラブのエゴと、UEFAとの利権争いから生じた産物といえるでしょう。
いずれにせよ、スーパーリーグ構想が反発を受けたことにより、ビッククラブは改めて選手、そしてファンがあってのサッカーであることを思い知ったのではないでしょうか。
UEFAチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの仕組みや位置づけ
UEFAチャンピオンズリーグ
1955年から前身となる大会が始まり、96-97シーズンから現名称が採用され、現在に至ります。
参加資格は、創設当初は各国リーグ優勝チームにしか与えられませんでしたが、96-97シーズンからは国内リーグ2位のチームにも参加資格が与えられ、その後はUEFAランキングに基づき、出場枠が与えられるようになりました。
ちなみに、現在(22/4/4)のUEFAランキングは以下の通りです。
- イングランド
- スペイン
- イタリア
- ドイツ
- フランス
- ポルトガル
- オランダ
- オーストリア
- スコットランド
- ロシア
日程ですが、例年7月上旬から8月中旬にかけ予選ラウンド・プレーオフが行われ、9月から12月にかけて、グループステージ、2月中旬から3月にかけてベスト16、4月初旬にベスト8、4月下旬から5月上旬にベスト4、そして5月末に決勝戦が行われる流れになります。
グループステージは、
- 前年度チャンピオンズリーグ優勝チーム(1)
- 前年度ヨーロッパリーグ優勝チーム(1)
- UEFAランキング1~4位までの上位4クラブ(16)
- UEFAランキング5~6位までの上位2クラブ(4)
- UEFAランキング7~10位までの国内リーグ優勝チーム(4)
- 予選からの勝ち上がり(6)
の計32クラブが、4チームごとの8つのグループに分かれ、ホームアンドアウエーの総当たり戦で行われます。
各グループの上位2クラブ、計16クラブが決勝トーナメントに進出し、準決勝まではホームアンドアウエーの2回戦で勝敗を決定します。そして決勝は、中立地での一発勝負で行われます。
賞金額、中継規模の大きさ、視聴者数の多さから、チャンピオンズリーグは世界の注目を集めるビックイベントであり、チャンピオンズリーグに出ることはプレイヤーにとって、大きな目標になるとともに、ステップアップやステータスの向上につながります。
そのため、チャンピオンズリーグに出場することを条件として、移籍先を決定する選手も多くいます。
例えば、ここ最近、アーセナルのサカが移籍希望を出したとの報道もありましたが、その理由はCL出場だといわれています。
今シーズンのアーセナルは現在リーグ戦4位とCL出場権獲得圏内にいますが、まだ安泰とは言い切れません。
アーセナルもここ数シーズンはCLから遠ざかっており、その間サカ自身もアーセナルの主力として成長し、イングランド代表にも定着しつつあり、あとは、CL出場だけです。
アーセナルもこのままCL出場権獲得圏内をキープして、久しぶりにCL出場権を獲得すれば、サカの残留だけでなく、移籍市場でも比較的有利な条件で移籍交渉を進めることが出来るでしょう。
また、今シーズン開幕前には、ビジャレアルのパウ・トーレスがトッテナムのオファーを拒否したとの報道もありました。
理由は、ビジャレアルはELを優勝してCL出場権を獲得していたのに対し、トッテナムはCL出場権を獲得していなかったからです。
お金ではなく、選手として高いステージを追い求めるのは本当に魅力的ですね。
UEFAヨーロッパリーグ
1955年から前身となる大会が始まり、1972年からUEFAカップとして発足しました。
1999年にカップウィナーズカップを吸収し、現在に至ります。
参加資格は、創設当初は各国リーグの上位クラブに与えられていましたが、チャンピオンズリーグの出場枠拡大により、その後は主に国内カップ戦優勝または準優勝チームと、UEFAランキングに基づいて、各リーグの上位クラブに参加資格が与えられるようになりました。
昨シーズンまでは、48クラブ(4クラブ×12グループ)が参加していましたが、今シーズンからUEFAヨーロッパ・カンファレンスリーグが創設されたことにより、32クラブ(4クラブ×8グループ)に削減されました。
日程ですが、チャンピオンズリーグとほぼ同じ流れになります。決勝はチャンピオンズリーグよりも少し早く、5月中旬に例年行われます。
グループステージは、
- UEFAランキング1~6位までの国内カップ戦優勝また準優勝クラブ(6)
- UEFAランキング5位の国内リーグ4位のクラブ(1)
- UEFAランキング1~4位までの5位クラブ(4)
- 前年度UEFAカンファレンスリーグの優勝クラブ(1)※22-23シーズンから
- チャンピオンズリーグ・予選プレーオフ敗退組(10)
- 予選からの勝ち上がり(10)
の計32クラブが、4チームごとの8つのグループに分かれ、ホームアンドアウエーの総当たり戦で行われます。
各グループの1位の8クラブ、そして各グループ2位とチャンピオンズリーグ・グループステージ3位同士でプレーオフを行い、勝ち残った8クラブが決勝トーナメントに進出し、準決勝まではホームアンドアウエーの2回戦で勝敗を決定します。そして決勝は、中立地での一発勝負で行われます。
チャンピオンズリーグと比べると、賞金額、中継規模、注目度などは少し劣ってしまいますが、レベルの高い大会であることに変わりはありません。
選手にとっても、ヨーロッパリーグで活躍することにより、プレミアリーグやラ・リーガ、ブンデスリーガやセリエAといった欧州主要リーグへの移籍のアピールにもつながります。
特に今シーズンは、CLでバルセロナがグループステージで敗退したことにより、ヨーロッパリーグに参戦しており、注目度も高くなっています。
バルセロナはベスト8でフランクフルトと対戦します。
鎌田がバルセロナ相手に大きなインパクトを残せれば、ビッククラブへの移籍に向けて大きなアピールになりますし、日本でも大きな注目を集めることでしょう。どうなるか、注目ですね。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、『UEFAチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの違いは?仕組みや位置付けまとめ!』と題してお伝えしました。
カップ戦出場権を獲得することは、選手のステータスを上げることに加え、クラブの経営においても大きな影響を及ぼします。それゆえビッククラブにとっては、カップ戦出場権獲得は、最低限のノルマです。
冬の移籍市場で、ユベントスが約100億円近い大金を使ってヴラホヴィッチ獲得に動いたり、経営難のバルセロナもフェラン・トーレスやトラオレなどを獲得するなど、今シーズン前半戦で調子が上がらなかったビッククラブが大型補強に動くのは、何としてでもCL出場権を獲得するためだと言えるでしょう。
その点を踏まえて、各国リーグの優勝争いだけでなく、CL出場権、EL出場権獲得圏内の順位争い、また国内カップ戦に注目してみると、より一層面白くなりますね。
今シーズンはどのクラブがタイトルを獲得するのでしょうか。これから目が離せませんね。
いつもありがとうございます!
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