アンカーに向いてる人は?世界・日本歴代最高選手も調査!

サッカーファンの皆さん、こんにちは。

 

世界トップクラブや代表チームでは、アンカーの前にインサイドハーフ2枚を置くフォーメーションが多くなっています。

“ボランチ”“アンカー”の違いって、いまいちよく分かってないかもしれません。

 

“レジスタ”“ピボーテ”といった、“アンカー”に関連した別の呼称もありますね。

今回は、中盤の屋台骨ともいえる“アンカー”というポジションについてフォーカスしていきたいと思います。

 

ということで今回は、

  • アンカーとは?
  • アンカーに向いている人は?
  • アンカーの世界歴代最高選手は誰?
  • アンカーの日本歴代最高選手は誰?
  • まとめ

の順でお伝えしていきます。

アンカーとは?

“アンカー”のポジションは、以下の通りです。

 

“4-1-2-3”のフォーメーションにおいて、DFラインとインサイドハーフの間で、守備的な働きや攻守の切り替え役としての働きが求められます。

 

この“アンカー(anchor)”は、英語で“錨”を表す言葉であり、いわば“中盤の屋台骨”ともいえる存在です。

 

このポジションは、セリエAでは“レジスタ”と呼ばれ、中盤の底から正確なパスを供給し、強力なアタッカーが揃う前線へと展開していきます。

またラ・リーガでは、“ピボーテ”と呼ばれ、中央でどっしり構え、パスを正確に捌いていくだけでなく、ピンチの際には素早く相手に寄せ、チャンスを未然に防いでいきます。

 

 

 

アンカーに向いている人は?

“アンカー”に求められる能力には、どんなものがあるでしょうか?

 

➀ ボール奪取能力の高さ

ボランチやインサイドハーフと比べると、守備的な役割が大きいアンカーには、やはりボール奪取能力の高さは必然的に求められていくでしょう。

DFラインとインサイドハーフの間に立ち、カウンター時や攻撃を組み立てようとしてくる時には、相手の攻撃のキーマンに素早く寄せ、確実に攻撃の芽を摘んでいきます。

 

 

② パス精度の高さ

またアンカーは攻撃の起点となるため、前線に正確なパスを供給したり、左右両サイドに展開していくことも求められます。

中盤の底で正確なパスを供給するアンカーがいれば、相手チームにとって大きな脅威となるでしょう。

 

 

③ 正確なボールコントロール

アンカーは、DFラインと中盤の間のバイタルエリアでプレーするため、簡単にボールを奪われたり、単調なパスでピンチを招かないようにしないといけません。

そのため、相手のプレスをいなし、試合のリズムを落ち着かせることが出来る巧みなボールコントロールも求められます。

 

 

④ 広い視野や危機察知能力

そしてアンカーは、攻撃の起点にも守備の要にもなるため、状況をよく見ることが出来る広い視野や、素早くピンチに対応できる危機察知能力の高さも求められます。

DFラインからパスを上手く受けることが出来たり、ピンチ時にもすぐに対応できるように、最適なポジションを取ることに、こういった能力は反映されるでしょう。

 

 

アンカーに向いている人の選手像や性格をまとめてみると

基本的にボランチに求められる能力と大きな差はないですが、ピッチを縦横無尽に走り回る運動量などはそこまで求められていません。

英語で“錨”を指す言葉の意味と同じく、中央でどっしり構え、船体が大きく揺さぶられないよう、攻守において安定した働きが求められるでしょう。

 

それで、自己主張が強いタイプというよりか、周りの事をよく考えて行動できるタイプがアンカーに向いているかもしれませんね。

そして決して目立つタイプではないですが、勝負所での働きが勝敗に関係するので、責任感が強いタイプもアンカーには向いていることでしょう。

 

 

 

アンカーの世界歴代最高選手は誰?

では、各年代において個人的な主観ではありますが、世界最高アンカーを取り上げたいと思います。

 

1990年代

フェルナンド・レドンド(元アルゼンチン代表/レアル・マドリードミラン他)

左足の巧みなボールコントロールと正確なパスを武器に、中盤の底で“ピボーテ”として活躍した元アルゼンチン代表の名手です。

 

アルゼンチン代表レアル・マドリードでは、世界トップクラスのアタッカー陣に正確なパスを供給し、攻撃の組み立て役として活躍しました。

また守備面でもアルゼンチン人選手らしい激しいタックルで相手の攻撃の芽を摘み、足に吸い付くようなボールコントロールで相手をいなしたり、機と見るやドリブルで攻め込んでもいました。

 

その優雅なプレーと、長髪をなびかせる端正なビジュアルから、“エル・プリンシペ(貴公子)”とも称され、多くのサッカーファンを魅了しました。

 

 

2000年代

アンドレア・ピルロ(元イタリア代表/ミランユベントス他)

 

プレースキッカーとして活躍しただけでなく、正確無比なパスを前線や左右両サイドに供給し、“レジスタ”として活躍した元イタリア代表の名手です。

 

元々はトップ下を主戦場としていたものの、ミラン在籍時に当時の指揮官アンチェロッティにアンカーへのコンバートを直訴し、その後2006-07シーズンのチャンピオンズリーグ制覇をはじめ、多くのタイトル獲得に貢献しました。

また2011-12シーズンからプレーしたユベントスでは、当時セリエAで無双状態だったユベントスの不動のアンカーとして活躍しました。

 

守備面ではそこまで強い能力を持っていたわけではないですが、巧みなボールコントロールや創造性豊かなパスで“レジスタ”としての存在感を出していました。

 

 

2010年代

セルヒオ・ブスケツ(元スペイン代表/バルセロナ)

 

2000年代後半から2010年代前半にかけて、“ティキ・タカ”で世界のサッカーシーンの中心に立っていたバルセロナで不動の“ピボーテ”として活躍しました。

 

パス精度の高さはもちろん、ポジショニング、危機察知能力、対人守備の強さ、ボールコントロールなど、アンカーに求められる能力を高いレベルで持っています。

先読みする力やゲームコントロール力からは、バルセロナの哲学だけでなく、ブスケツ自身のサッカーIQの高さも感じられます。

 

2022-23シーズン終了後、契約満了によりバルセロナを退団しましたが、バルセロナを語る上でメッシシャビと同じくらいブスケツの存在は抜きに出来ないでしょう。

 

 

現在

ロドリ(スペイン代表/マンチェスター・シティ)

 

2022-23シーズン、チャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、FAカップの3冠(トレブル)を達成し、世界トップクラブに君臨するマンチェスター・シティにおいて、アンカーのロドリは代えのきかない選手となっています。

 

身長191㎝の屈強な体格を活かしたボールキープと対人守備の強さを誇り、足元の技術も高く、パス精度の高さも発揮し、ビルドアップの起点にもなります。

またミドルシュートで積極的にゴールを狙っていき、2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ決勝では決勝点となるミドルシュートを決めました。

 

グアルディオラ監督からも絶大の信頼を寄せられており、現時点において世界屈指のアンカーの一人といえるでしょう。

 

 

 

アンカーの日本歴代最高選手は誰?

次に各年代において、こちらも個人的な主観ではありますが、日本最高アンカーを取り上げたいと思います。

 

1990年代

山口 素弘(元横浜フリューゲルス名古屋グランパス他)

 

1998年フランスW杯の日本代表では、ボランチとして全3試合に出場しました。

 

当時の日本代表では中田英寿名波浩といった攻撃のタレントが揃っていた中、広い視野と危機察知能力を発揮し、的確なポジショニングを取り、上手くバランスを保っていました。

攻撃面でも、大きな攻め上がりはないものの、1998年フランスW杯アジア最終予選の韓国戦で見せたループシュートをはじめ、足元の高い技術を持っており、無駄のないプレーでコントロールしていきました。

 

ポジション的にはアンカーではないかもしれませんが、アンカーの役割を果たしていた選手として取り上げてみました。

 

 

2000年代

阿部 勇樹(元浦和レッズジェフユナイテッド千葉他)

 

2010年南アフリカW杯では、アンカーとして全4試合に出場し、日本代表ベスト16に大きく貢献しました。

 

2000年にジェフユナイテッド千葉でトップチームデビューを果たすと、イビチャ・オシム監督の下ではキャプテンとして絶大な信頼を寄せられ、ボランチを主軸に活躍してきました。

その後移籍した浦和レッズでも、ボランチだけでなくCBでも活躍し、守備能力の高さや正確なロングフィードを武器に活躍してきました。

 

守備的だと評された2010年南アフリカW杯でも、本田圭佑遠藤保仁などが前線で生き生きしたプレーを見せたのは、アンカーとして構えていた阿部勇樹の存在が大きかったからに他ならないでしょう。

 

 

2010年代

山口 蛍(ヴィッセル神戸)

 

2010年南アフリカW杯後は、長谷部誠遠藤保仁の2ボランチが基本となっていましたが、2015年に就任したハリルホジッチ監督下ではアンカーとして起用されていました。

 

豊富な運動量や危機察知能力の高さを活かし、守備範囲の広さを誇り、クリーンにボールを奪い前線につなげていきます。

攻撃面でも、正確なボールコントロールでパスを捌いていき、シンプルなプレーでビルドアップ面での貢献度の高さも見せています。

 

インサイドハーフの方が適性があるのではないかという見方もあるかもしれませんが、今回は代表でのアンカーとして取り上げてみました。

 

 

現在

遠藤 航(リバプール)

 

現在、日本代表では守田英正(スポルティング)との2ボランチが基本となっていますが、代表戦でも数試合アンカーで起用された試合もあったので、今回取り上げてみました。

 

欧州トップレベルの対人の強さだけでなく、パス精度の高さや、ポジショニングセンスも磨きがかかり、リバプールで不動のアンカーとして定着しつつあります。

2023-24シーズン開幕当初は、退団したファビーニョ(アル・イテハド)の影響を不安視されていましたが、いまやそんな声はまったく出てこない圧巻のパフォーマンスを見せています。

 

日本代表でもトップクラスのインサイドハーフが出てくれば、クラブ同様、アンカーで活躍する遠藤の存在感をより強く感じられるでしょう。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

 

今回は、アンカーというポジションにフォーカスし、求められる能力や、世界歴代最高、そして日本歴代最高のボランチについて取り上げてみました。

 

ボランチほど、中盤を広く動き回る運動量や、攻守両面で高い能力が備わっていることは求められませんが、広い視野や危機察知能力の高さはボランチと同じくらい求められます。

攻撃的なタレントが揃っているチームの中で、中盤をしっかり支え、安定したアンカーがいれば、これほど恐ろしいものはないでしょう。

 

2023-24シーズン、プレミアリーグの優勝争いの中にいるリバプールで、アンカーとして活躍している日本代表の遠藤航にも注目ですね。

シーズン終盤にかけて、遠藤のプレーをきっかけに、アンカーというポジションにも注目が集まってくることでしょう。

いつもありがとうございます!

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