偽サイドバックに向いてる人は?世界・日本の有名選手も調査!

サッカーファンの皆さん、こんにちは。

 

近年、多くのサッカーファンを魅了し続けている、ポゼッションサッカー。

このポゼッションサッカーが今も進化し続けている過程において、新たな役割が生み出されてきました。

 

それが、“偽サイドバック”です。

 

今回は、ポゼッションサッカーに不可欠な役割となりつつある“偽サイドバック”にフォーカスしてみたいと思います。

 

ということで今回は、

  • 偽サイドバックとは?
  • 偽サイドバックに向いている人は?
  • 偽サイドバックの世界有名選手は誰?
  • 偽サイドバックの日本有名選手は誰?
  • まとめ

の順でお伝えしていきます。

偽サイドバックとは?

この“偽サイドバック”とは、特定のポジションのことではなく、役割のことです。

 

予想フォーメーションでは4バックのサイドバックで表されますが、試合が始まるとビルドアップの際に中央に絞り、アンカーの高さまで上がり、組み立てに参加していきます。

偽サイドバックがビルドアップに加わることにより、中央に枚数が集まり、サイドにスペースや数的優位の状況が生まれます。

 

またインサイドハーフが高い位置を保つことが出来、攻守において大きなスペースを空けることなく、枚数が揃った状況を維持することが出来ます。

中央に人数をかけるため、カウンター時も中央を使われることはないというメリットもあります。

 

とはいえ、バイタルエリア付近でパスワークに参加するため、ボールを失った場合のカウンターのリスクもあります。

 

この“偽サイドバック”システムを生み出したといわれているのは、世界を代表する名将、ジョゼップ・グアルディオラ監督です。

 

バイエルン・ミュンヘン、そして現在指揮するマンチェスター・シティでも、この“偽サイドバック”システムを進化させてきています。

またマンチェスター・シティグアルディオラ監督の下でアシスタント・コーチを務め、現在アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督も、“偽サイドバック”システムを導入しています。

 

 

 

偽サイドバックに向いている人は?

“偽サイドバック”に求められる能力には、どんなものがあるでしょうか?

 

➀ 空間把握能力

サイドバックはこれまでサイドの上下動が基本の動きとなっていましたが、偽サイドバックでは中央に絞ってのビルドアップが基本になるため、相手だけでなく、味方の前線のアタッカーの位置も把握する能力の高さが求められます。

CBやボランチ、アンカーらと、相手に詰め寄られないちょうど良い距離感を保つだけでなく、相手を釣る動き出しなど、俯瞰的にフィールドを見る力の高さは必須ですね。

 

 

② 正確なボールコントロール

“偽サイドバック”はバイタルエリア付近でボールタッチする機会が多いため、簡単にボールを奪われないボールコントロールの高さは求められます。

ボールロストすれば、サイドから一気にカウンターにつながるリスクもあるので、この能力の高さも必須ですね。

 

 

③ パス精度の高さ

“偽サイドバック”もボランチやアンカーと同じく、パス精度の高さも求められます。

前線に一気に繋ぐパスを供給することもありますが、基本的にはビルドアップ時での繋ぎやくさびとなるパスに関与することが多いですね。

 

 

④ 戦術理解度の高さ

“偽サイドバック”自体、難易度の高い戦術であるので、監督が求める戦術を遂行できる戦術理解度の高さも求められます。

単に中央まで絞りビルドアップに参加するというタスクをこなすだけでなく、対戦相手の状況により、上がる位置やパスの強さなども調整する柔軟性の高さも必須でしょう。

 

 

偽サイドバックに向いている人の特徴や性格をまとめると

従来のサイドバックとは異なり、“偽サイドバック”は運動量やテクニックだけでなく、サッカーIQを駆使しなければ成立しないポジションとなっています。

ボランチ、アンカーと同じような戦術的ビジョンを持ち、相手の状況を上手く読んで行動に移していかなければいけません。

 

それで、初心者ではすぐに習得できないポジションではありますが、偽サイドバックを志すなら、周りの状況が良く見えて、仲間を活かそうとするタイプが向いているかもしれませんね。

また偽サイドバックには時折、ハーフラインからの攻め上がりも見られ、テクニックの高さやドリブルスキルの高さも求められますが、無茶なチャレンジはせず、石橋を叩いて渡る、慎重タイプの方が無難かもしれません。

 

監督とのコミュニケーションも特に重要なので、コミュニケーション力の高さも求められるでしょう。

 

 

 

偽サイドバックの世界の有名選手は誰?

では、個人的な主観ではありますが、“偽サイドバック”の代表例ともいえる世界の有名選手を取り上げたいと思います。

 

ダビド・アラバ(オーストリア代表/現レアル・マドリード)

グアルディオラ監督が2013-14シーズンから指揮したバイエルン・ミュンヘンで“偽サイドバック”として初めて起用されたのが、ダビド・アラバです。

 

オーストリア代表では攻撃的な位置でプレーしましたが、所属クラブでは左サイドバック、またCBとしてプレーするマルチロールプレーヤーです。

グアルディオラ監督時代のバイエルンでは、“偽サイドバック”として中央にポジションを取り、ビルドアップに参加するだけでなく、自らも時に攻め上がり得点を演出することもありました。

 

“偽サイドバック”の先駆けとして、その役割にアラバ・ロール”という名前が付けられるなど、“偽サイドバック”を語る上で欠かせない存在です。

 

 

ダニエウ・アウベス(元ブラジル代表/元バルセロナ他)

 

2000年代後半から2010年代前半にかけて、“ティキ・タカ”で強さを遺憾なく発揮したバルセロナの不動の右サイドバックとして活躍した元ブラジル代表の名手です。

 

2008年7月にバルセロナに加入した当初は、スピード溢れる豪快な攻め上がりと対人守備の強さを売りとしていましたが、チームスタイルに合わせて、ポジショニングを中央に寄せ、偽サイドバックへと進化していきました。

そしてバルセロナ退団後も、ユベントスパリ・サンジェルマンブラジル代表でも、ゲームメイクを担う偽サイドバックとして存在感を発揮してきました。

 

キャリアの晩年に差し掛かりつつも、代表メンバーに招集され、自身の経験値を還元する活躍を見せているところは、さすがの一言に尽きますね。

 

 

ジョアン・カンセロ(ポルトガル代表/現バルセロナ)

 

グアルディオラ監督が現在指揮するマンチェスター・シティにおいて、“偽サイドバック”の進化形として活躍したのが、ポルトガル代表ジョアン・カンセロです。

これまでの“偽サイドバック”は、ビルドアップに重きを置き、ウィングで数的優位を作るのが主な目的となっていました。

 

しかし、カンセロは自身のテクニックの高さと駆使し、ハーフウェイから積極的にドリブルで攻め込んでいき、チームはその動きに合わせてフォーメーションを変化していきました。

“カンセロ・ロール”と呼ばれるその働きにより、2021-22シーズンはプレミアリーグでチーム2位の7アシストを記録し、チームのリーグ優勝に大きく貢献しました。

 

残念ながら、2022-23シーズン途中にグアルディオラ監督と衝突し、チームを去ることになりましたが、“偽サイドバック”として新たな価値を付けた進化形として、その名を知らしめました。

 

 

オレクサンドル・ジンチェンコ(ウクライナ代表/現アーセナル)

 

カンセロと同じく、グアルディオラ監督が指揮するマンチェスター・シティで“偽サイドバック”にコンバートされ、現在はアーセナルで活躍しています。

 

元々攻撃的な選手でしたが、グアルディオラ監督によりコンバートされ、持ち前の足元のテクニックの高さやゲームメイク力の高さを活かし、“偽サイドバック”として台頭してきました。

2022年7月にアーセナルに移籍すると、同じ“偽サイドバック”システムを志向するアルテタ監督の下、厚い信頼を寄せられています。

 

日本代表DF富安健洋との左サイドバックのポジション争いにも注目が集まりますが、アルテタ監督の戦術において、ジンチェンコは不可欠な存在といえるでしょう。

 

 

 

偽サイドバックの日本の有名選手は誰?

次に、個人的な主観ではありますが、“偽サイドバック”の代表例ともいえる日本の有名選手を取り上げたいと思います。

 

冨安 健洋(現アーセナル)

 

“偽サイドバック”システムを採用する世界有数のトップクラブ、アーセナルで活躍する日本代表の守備の柱です。

 

日本代表ではCBとして不動の地位を確立していますが、所属するアーセナルではサイドバックとして起用され、現在はジンチェンコと左サイドバックのポジション争いを繰り広げています。

守備面で不安があるジンチェンコの代わりに、対人守備の強さを誇る富安を起用するケースが多かったですが、足元の技術の高さやポジショニングセンスの高さもあり、ビルドアップでの貢献度も高く、アルテタ監督が求める戦術にも適応し、厚い信頼を寄せられています。

 

現在の日本代表では富安を偽サイドバックとして起用する余裕は全くないですが、CBに富安クラスの実力者が台頭してくれば、富安を偽サイドバックとして起用するのも面白いかもしれませんね。

 

 

毎熊 晟矢(現セレッソ大阪)

 

2023年9月に日本代表に初招集され、“偽サイドバック”としてその名を知らしめようとしているのが、セレッソ大阪の不動の右サイドバック毎熊晟矢です。

 

プロ入り前は攻撃的なアタッカーでしたが、2020年にプロキャリアをスタートしたV・ファーレン長崎でサイドバックにコンバートされると、攻撃性の高さや豊富な運動量で適応してきました。

そして2022年に加入したセレッソ大阪では、持ち前の運動量や攻撃性能の高さに加え、戦術理解度も磨きをかけ、“偽サイドバック”として成長を遂げています。

 

2024年1月に行われたアジアカップのバーレーン戦では、サイドバックながら中央に絞り、先制点のキッカケとなったミドルシュートを放ちました。

そのポジショニングから、“偽サイドバック”としての真骨頂が見受けられますね。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

 

今回は、“偽サイドバック”にフォーカスし、求められる能力や、世界、そして日本の偽サイドバックの有名選手取り上げてみました。

 

現代サッカーは単にスキルの高さやフィジカルの強さだけでなく、知性が求められます。

“偽サイドバック”は、その最たる例ではないでしょうか?

相手のアタッカーを抑え込むだけでなく、組み立てに参加したり、時にはサイド突破も試みるなど、試合の展開を読む力も求められます。

 

一朝一夕では完成しない“偽サイドバック”システムですが、世界のトップクラスのチームはこの“偽サイドバック”システムを駆使し、強さを発揮しています。

ビッグマッチと呼ばれる試合では、サイドバックの動きにも注目してみても面白いかもしれませんね。

いつもありがとうございます!

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