高校サッカーファンの皆さん、こんにちは。
夏のインターハイも終わり、最後の大舞台となる冬の選手権に向けて、全国各地で予選が行われています。
今回は、北関東を代表するサッカー王国群馬県予選についてお伝えしていきます。
群馬県と言えば、まずは前橋育英を思い浮かべる人が多いことでしょう。
第93回(2014年度)、第95回(2016年度)と連続で決勝に進出し、第96回大会(2017年度)では決勝で流通経済大柏(千葉県)を破り、群馬県勢として選手権初制覇を成し遂げました。
昨年度のインターハイも制し、プレミアリーグEASTでも上位戦線に食い込もうとするなど、ここ最近の強さは群馬県内の中では際立っています。
とはいえ、第99回大会(2020年度)予選ではまさかの3回戦敗退を喫したこともあり、前橋育英もこの群馬県予選を突破するのは簡単なことではないでしょう。
前橋育英に待ったをかけるべく、群馬県内にも対抗馬となる学校がいくつかあり、ここ数年の選手権予選、またインターハイ予選では敗れはしたものの僅差でのギリギリの勝負を繰り広げていました。番狂わせが起こる可能性も否定できませんね。
という事で今回の記事の順番は
- 全国高校サッカー選手権2023群馬予選の日程
- 全国高校サッカー選手権2023群馬予選の組み合わせ
- 全国高校サッカー選手権2023群馬予選の優勝候補
- 全国高校サッカー選手権2023群馬予選の注目選手
- まとめ
という順番でお伝えしていきます。
全国高校サッカー選手権2023群馬予選の日程
全国高校サッカー選手権2023群馬県大会ですが、8/26(土)~9/9(土)までの日程でA~Hの8ブロックに分かれたブロック予選が行われ、10/7(土)から、ブロック予選で勝ち上がったチームとシード校を加えた決勝トーナメントが行われています。
決勝トーナメントの日程は以下の通りです。
1回戦
10/7(土)
2回戦
10/9(月・祝)
3回戦
10/21(土)
準々決勝
10/28(土)
準決勝
11/5(日)
決勝
11/12(日)
全国高校サッカー選手権2023群馬予選の組み合わせ
決勝トーナメント
1回戦
月 日 | マッチNo. | 対 戦 カ ー ド |
10/7 | M1 | 市立前橋 3 × 1 伊勢崎商 |
10/7 | M2 | 前橋東 2 × 1 関東学園大附 |
10/7 | M3 | 桐生清桜 0 × 2 利根商 |
10/7 | M4 | 共愛学園 4 × 1 高崎北 |
10/7 | M5 | 新田暁 0 × 2 前橋 |
10/7 | M6 | 高崎経済大附 0 × 2 沼田 |
10/7 | M7 | 安中総合 0 × 4 新島学園 |
10/7 | M8 | 桐生 0 × 4 太田 |
2回戦
月 日 | マッチNo. | 対 戦 カ ー ド |
10/9 | M9 | 市立前橋 3 × 4 前橋東 |
10/9 | M10 | 利根商 4 × 5 共愛学園 |
10/9 | M11 | 前橋 1 × 4 沼田 |
10/9 | M12 | 新島学園 3 × 0 太田 |
3回戦
月 日 | マッチNo. | 対 戦 カ ー ド |
10/21 | M13 | 前橋東 0 × 2 常磐 |
10/21 | M14 | 吉井 2 × 3 共愛学園 |
10/21 | M15 | 沼田 3(4PK3)3 高崎商 |
10/21 | M16 | 伊勢崎工 3 × 1 新島学園 |
準々決勝
月 日 | マッチNo. | 対 戦 カ ー ド |
10/28 | M17 | 前橋育英 5 × 0 常磐 |
10/28 | M18 | 共愛学園 1 × 6 桐生第一 |
10/28 | M19 | 前橋商 2(4PK2)2 沼田 |
10/28 | M20 | 伊勢崎工 1 × 2 健大高崎 |
準決勝
月 日 | マッチNo. | 対 戦 カ ー ド |
11/5 | M21 | 前橋育英 3 × 2 桐生第一 |
11/5 | M22 | 前橋商 0 × 2 健大高崎 |
決勝
月 日 | マッチNo. | 対 戦 カ ー ド |
11/12 | M23 | 前橋育英 2 × 0 健大高崎 |
高校サッカー選手権群馬県予選は、前橋育英高校が3年連続26度目の出場を決めました。
全国高校サッカー選手権2023群馬予選の優勝候補
2023年度の選手権予選群馬県大会の優勝候補として挙げたい高校は、「前橋育英」、「健大高崎」、「桐生第一」の3校です。
【前橋育英】
優勝候補の筆頭は、何と言っても前橋育英ではないでしょうか。
選手権優勝1回、インターハイ優勝2回を誇り、第99回大会(2020年度)でまさかの予選敗退を喫した後は、選手権またインターハイ予選を5大会連続で制しています。
昨年度もチームの守護神を務めたU-17日本代表GKの雨野颯真(3年)や、U-17日本高校選抜のCB山田佳(2年)などを中心に堅い守備を築いていきます。
また前線では斎藤陽太(3年)やオノノジュ慶吏(2年)といった強さと切れ味の鋭さを前面に出したアタッカーが躍動し、そういったアタッカー陣が生き生きと出来るよう、中盤で石井陽(2年)や篠塚遥斗(3年)が攻守においてバランスを取っていきます。
各ポジションに実力者が多く、穴という穴は見当たらないです。
インターハイでは3回戦で同じプレミアリーグ勢の尚志(福島県)に競り負けましたが、その悔しさをバネにプレミアリーグの舞台で戦い、力を付けてきています。
選手権予選を危なげなく突破し、インターハイのリベンジを果たすことが出来るのか、“上州の虎”前橋育英の戦いぶりに注目です。
【健大高崎】
次に優勝候補に挙げるのは、絶対王者前橋育英に迫る第二勢力として、近年着実に力を付けてきている健大高崎です。
今年度はプリンスリーグ関東1部に所属し、関東の強豪校やJクラブユースと互角に渡り合っています。
前回の選手権予選は準決勝で、そして今年度のインターハイ予選は決勝で前橋育英とぶつかったものの、惜しくも敗れ、全国にはあと一歩届きませんでした。
それでも絶対王者前橋育英に食らい付く戦いぶりを見せ、今大会こそは悲願の全国へと、闘志を燃やしています。前線は、背番号10のアタッカー渡辺聡馬(3年)の仕掛けや得点力の高さを誇るストライカーの中澤慶次(3年)が存在感を発揮し、最終ラインもU-16日本代表に選出された新井夢功(2年)や田村陸斗(2年)といったフレッシュな顔も主力として活躍しています。
絶対王者前橋育英の背中を捉えつつも、なかなか倒すまでには至らず、悔しさを味わい続けた新興勢力健大高崎は今大会でその壁を破り、悲願の全国行きを成し遂げることが出来るのか、注目です。
【桐生第一】
最後に優勝候補に挙げるのは、これまで前橋育英と幾多の名勝負を繰り広げてきたライバル桐生第一です。
今年度はプリンスリーグ関東1部でプレーしていますが、昨年度まではU-18世代の最高峰の舞台であるプレミアリーグEASTでプレーしていました。
昨年度の新人大会では準決勝で前橋育英を破り、新人大会を制しましたが、インターハイ予選では準決勝で健大高崎にPK戦の末に敗れてしまいました。
これまで前橋育英の前に全国行きを阻まれてきたものの、昨年度世代最高峰の舞台であるプレミアリーグEASTを経験したCB中野力瑠(3年)やMF小野剛史(3年)を中心に、悔しさをバネに成長し続けています。
順当に行けば、準決勝で前橋育英と激突するでしょう。
ここ数年は悔し涙を呑んできましたが、この選手権予選で前橋育英に競り勝ち、第92回大会(2013年度)以来、10年ぶりの選手権出場となるのか、注目です。
全国高校サッカー選手権2023群馬予選の注目選手
では、ここで2023年度の選手権予選群馬県大会の注目選手を取り上げます。
雨野 颯真(GK/前橋育英/3年) ※U-17日本代表
[MOM4372]前橋育英GK雨野颯真(3年)_東山の“武器”を封じた守護神…今年は「自分の力で勝たせる」https://t.co/Csvng9W09B#ゲキサカ #高校サッカー #高校総体 #インターハイ
— ゲキサカ (@gekisaka) July 30, 2023
昨年度は2年生ながらチームの守護神を務め、インターハイ優勝にも大きく貢献しました。
今年度はキャプテンとして最後方からチームを支えていきます。
安定したセービングに加え、判断の良さも光り、鋭い飛び出しで相手の絶好機も防いでいきます。
前橋育英の最後の砦として、自らも「ゼロに抑えること」を重視し、インターハイに臨み、2試合でわずか1失点と安定した活躍を見せましたが、チームは1点差に泣き、3回戦で尚志(福島県)に敗れてしまいました。
昨年度は先輩たちに勝たせてもらったという感覚が強く、今年度は自分の力で勝たせたいと、キャプテンとして強い意識を持ちプレーします。
最後の選手権に臨む上で、キャプテンとして、またチームの守護神として雨野が自らの役割をしっかり果たすことが出来るかどうかが、前橋育英の勝利の重要なファクターとなることでしょう。
世代トップクラスのGKの活躍に注目です。
山田 佳(DF/前橋育英/2年) ※U-17日本代表
[船橋招待U-18大会]輩出Jリーガー100人超えの前橋育英。名将が期待寄せる新1年生レフティー、CB山田佳https://t.co/rvlOMlkwCC#ゲキサカ #高校サッカー
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2年生ながら、前橋育英の最終ラインの番人として君臨する左利きのCBです。
昨年度にはU-16日本代表に選出されると、前回の選手権終了後にはU-17日本高校選抜、そして今年9月にはU-17日本代表に選出されるなど、世代別代表を多く経験しています。
左足からの正確なフィードやパスを前線に供給し、最終ラインから攻撃のスイッチを入れていきます。
また的確なカバーリングや冴え、スピードやフィジカルの強さも付けてきました。
プレースキッカーとしても信頼が厚く、精度の高いボールを供給し、得点へと繋げていきます。
身長187㎝の熊谷康正(3年)とCBコンビを組み、堅守を築いていくだけでなく、ゴールに繋がるボールを供給していきます。成長著しい2年生CBの左足にも注目ですね。
篠崎 遥斗(MF/前橋育英/3年)
前橋育英の中盤で好プレー続けるMF篠崎遥斗、最後の「大きな差」を埋めてインハイ連覇に挑戦https://t.co/wYRldIKDbA#ゲキサカ #高校サッカー
— ゲキサカ (@gekisaka) July 10, 2023
前橋育英の中盤の番人として君臨し、攻守の切り替え役として存在感を出しているボランチです。
足元の技術の高さとパス精度の高さを駆使し、中盤でのボールキープで落ち着かすだけでなく、正確なパスを前線に供給していきます。
また豊富な運動量と強度の高い守備で相手の攻撃の芽を摘み、ボランチのコンビを組む石井陽(2年生)とバランスの取れた動きを見せていきます。
前線のアタッカー陣が生き生きと攻めることが出来るのも、中盤で大きな存在感を出している篠崎がいるからに他なりません。
昨年度、キャプテンとしてインターハイ制覇に導き、世代屈指のボランチとして活躍した徳永涼(現筑波大)の後を受け継ぐ舵取り役の活躍で、昨年度の悔しさを晴らすべく、選手権出場へと導くことが出来るのか、注目です。
渡辺 聡馬(FW/健大高崎/3年)
絶対王者前橋育英に迫る第二勢力、健大高崎のエースナンバー背番号10を付けるアタッカーです。
右サイドから味方との連携や積極的なドリブルによる仕掛けなどで、素早く相手ゴールに迫り、チャンスメイクしていきます。
またプリンスリーグ関東1部第12節のヴァンフォーレ甲府U-18戦では、2得点を決めるなど得点力の高さもあり、ストライカーの中澤慶次(3年)と共に、チームの攻撃の柱として欠かせない存在となっています。
前回の選手権予選準決勝の前橋育英戦でもピッチに立ち、敗れはしたものの果敢な仕掛けで前橋育英を苦しめていました。
今大会こそは自身のプレーで前橋育英を破り、健大高崎を悲願の全国へと導くことが出来るのか、注目です。
新井 夢功(DF/健大高崎/2年) ※U-16日本代表
【写真特集】[プリンスリーグ関東1部]昨年12月にU-16日本代表初招集。健大高崎の2年生CB新井が対人能力と左足キックを発揮(5枚)https://t.co/GsBUT8YrDp#ゲキサカ #高校サッカー pic.twitter.com/J4m4gYZsog
— ゲキサカ (@gekisaka) April 18, 2023
昨年度から主力として活躍し、昨年12月にはU-16日本代表に選出され、健大高崎初の世代別日本代表選手となった左利きのCBです。
チームでは3バックの左として起用され、左足から精度の高いフィードを供給し、チャンスメイクしていくだけでなく、カバーリング範囲の広さや冷静な守備対応も光ります。
インターハイ予選決勝の前橋育英戦でも自ら左足からの正確なフィードを供給し、先制点につながるPKを獲得しました。
同じ左利きのCBで、中学時代のチームメイトである前橋育英の山田佳(2年)に対してライバル意識を強く持ち、打倒前橋育英を目論みます。
U-16日本代表選出により、チームに対する意識や食事などの自己管理にも変化が生じ、チームの中心として健大高崎を最後方から牽引していきます。
勝利に繋がるプレーを見せ、健大高崎を悲願の全国の舞台へと導くことが出来るのか、注目です。
中野 力瑠(DF/桐生第一/3年)
「ロス五輪への推薦状」第6回:兄は広島DF。桐生一DF中野力瑠は高さと速さ、組み立て能力に加え、泥臭く奪う力も向上中https://t.co/6cbJZ4BXMj#ゲキサカ #高校サッカー
— ゲキサカ (@gekisaka) August 22, 2023
昨年度から主力として活躍し、今年度からはキャプテンとしてチームを最後方から支えていくCBです。
サンフレッチェ広島でプレーする中野就斗を兄に持ち、身長184㎝のフィジカルの強さと身体能力の高さを前面に出し、相手の攻撃を弾き飛ばしていきます。
また最終ラインから前線に正確なフィードを一気に放り込みチャンスメイクするなど、攻撃の起点としても活躍しています。
昨年度はプレミアリーグEASTの舞台で、内野航太郎(現筑波大)や熊田直紀(現FC東京)といったトップクラスのアタッカーと対峙した経験を糧に、今年度は桐生第一の最終ラインの番人として、堅く鍵をかけていきます。
Jクラブの練習参加も経験し、高卒プロ入りを目標に掲げる中野は、選手権予選で他を寄せ付けない強固な守備を見せ、桐生第一を久々の選手権の舞台に導くだけでなく、自身の目標実現へとたぐり寄せることが出来るのか、注目です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は全国高校サッカー選手権2023群馬県予選の日程と組み合わせに加えて、優勝候補、注目選手をご紹介しました。
優勝候補には、今年度もプレミアリーグEASTに参戦し、2021年度のインターハイ予選から5大会連続で制している前橋育英、前回の選手権予選準決勝、そしてこの夏のインターハイ予選決勝で前橋育英を苦しめた健大高崎、昨年度の新人大会優勝校であり、今年度はプリンスリーグ関東で戦っている前橋育英のライバル桐生第一を挙げました。
前橋育英の足元をすくおうと、健大高崎、桐生第一のプリンスリーグ関東勢が虎視眈々と狙っているという構図になりそうですが、関東大会予選優勝校で、インターハイ予選ベスト4の前橋商も侮れませんね。その他、新人大会準優勝の共愛学園、関東大会予選準優勝の伊勢崎工、インターハイ予選ベスト8の常磐、高崎商なども波乱を起こす可能性を秘めています。
注目選手は、前橋育英の雨野颯真選手、山田佳選手、篠崎遥斗選手、健大高崎の渡辺聡馬選手、新井夢功選手、桐生第一の中野力瑠選手をご紹介しました。
インターハイと同じく、選手権予選でも出場権をかけた熱い戦いが繰り広げられることでしょう。
前橋育英が順当に選手権予選を制してくるのか、それとも久々の波乱が起こされるのか、北関東を代表するサッカー王国の群馬県予選での戦いぶりにも注目です。
いつもありがとうございます!
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