サッカーファンの皆さん、こんにちは。
近年のサッカーシーンでは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入だけでなく、ブルーカードの導入など、ルールそのものの変更も検討されています。
その中には、オフサイドルールの変更も含まれています。
“オフサイドって何か?”を説明できるかどうかで、サッカーをよく知っているかが分かるというほど、基本的なルールともいえる“オフサイド”ですが、どんな調整が加えられるでしょうか?
そして変更されることによって、どんな影響が出てくるのでしょうか?
今回は、検討されている“オフサイドの最新ルール”について取り上げ、予想される影響についても取り上げていきたいと思います。
今回は、
- オフサイドとは?
- オフサイド最新ルール
- 半自動テクノロジーでオフサイドトラップも変わる?
- 半自動テクノロジーで副審は不要?
- まとめ
の順でお伝えしていきます。
オフサイドとは?
まず、現在におけるオフサイドルールはどのようなものでしょうか?
攻撃側のチームの選手が、守備側のチームのフィールドのゴールマウス近くでパスを出したりシュートを打ったときに、パスの受け手やこぼれ球に反応したもう一人の攻撃側のチームの選手が、守備側のチームのGKと2人目の守備者の間にいた場合に、オフサイドとなります。
下の画像では、FW2がオフサイドの対象となります。
オフサイドポジションにいるだけで反則が取られるのではなく、ゴールキック、コーナーキック、スローインの時点でオフサイドポジションでボールを受けても反則は取られません。
またオフサイドポジションにいても、その選手がプレーに関与していない場合は、オフサイドの反則が取られることはありません。
試合終了間際に守備側のGKがハーフウェイラインを超えて、相手ゴール
オフサイドで反則が取られるのは、主に3つのケースにおいてです。
- プレーを妨害する
- 相手競技者を妨害する
- その位置にいることによって利益を得る
それぞれ図で確認してみると、
➀ プレーを妨害する
この場面が、オフサイドの反則が取られる基本的なケースとなります。
② 相手競技者を妨害する
オフサイドポジションにいて、守備側のGKのブラインドになったり、動きを妨げたりする場合にもオフサイドの反則が取られます。
③ その位置にいることによって利益を得る
攻撃側のチームの選手が打ったシュートのこぼれ球に反応した時でも、オフサイドポジションにいれば、オフサイドの反則が取られます。
どこまで出ていれば、オフサイドの反則が取られるでしょうか?
オフサイド最新ルール
ところが今、このオフサイドルールの変更が検討されています。
オフサイドの反則が取られるタイミングは、変更はありません。
変更が検討されているのは、オフサイドラインから出ていても反則が取られない範囲です。
これまでは、手や腕がオフサイドラインを出ていても良かったですが、足が出ていればオフサイドの反則を取られていました。
しかし新ルールでは、オフサイドラインに身体の一部がかかっていれば、オフサイドの反則を取られることはありません。
オフサイドの新ルール
これ凄いな。。
得点シーン増えるだろうなぁ。。
VARで試合止まるシーンも増えそう🤔🤔PKのルール変わった時もそうだけど
混乱するから
そんな何回も変えないで欲しい!!笑 pic.twitter.com/lnEH9GKV2h— しい (@kunmcrpepe) July 9, 2023
このルール改定は、約22年間アーセナルで監督を務め、現在はFIFA(国際サッカー連盟)の国際サッカー発展部門の責任者や技術研究グループ長を務めるアーセン・ヴェンゲル氏によって提唱されています。
🤔新ルール?🤔
「オフサイド」が改定される? ヴェンゲル氏の提案でテスト実施へhttps://t.co/APJLn5vwdw🗣️編集部より
「 #アーセン・ヴェンゲル 氏によって提案されたオフサイドに関するルール変更が行われるかもしれません」— サッカーキング (@SoccerKingJP) August 27, 2020
2024年3月に行われた、IFAB(国際サッカー評議会)の年次総会では、このオフサイドの新ルールの導入も検討されていましたが、導入は見送りとなりました。
もしオフサイドの新ルールが導入されれば、DFラインとの駆け引きの巧さを売りとするFWの得点機会はより増えてくることでしょう。
そしてDFとしては、オフサイドトラップをはじめ、守備時の戦術の見直しだけでなく、相手FWに対応する個の能力の高さもより求められてくることでしょう。
半自動テクノロジーでオフサイドトラップも変わる?
2018年のロシア・ワールドカップではVARが導入され、2022年のカタール・ワールドカップでは、半自動オフサイドテクノロジーが導入されました。
SAOTは
専用の12台の8Kカメラで、選手の正確な位置と29の体の部位を1秒間に50回も測定する
発信機付のボールは1秒間に500回も測定しオフサイドかどうかを数秒で判定。
結果はアニメ化されます。
VAR方式より速いし、ゴール取り消しでもめなくて良いね🌙#Qatar2022 #FIFAWorldCup #ワールドカップ pic.twitter.com/G02RPMbKYo— tanu☆🍸 (@Starry_cat_tanu) November 20, 2022
この半自動オフサイドテクノロジーが導入されたことにより、数センチメートル単位での判定が可能になり、2022年のカタール・ワールドカップでもこのシステムによりオフサイドの反則を取られ、ゴールが取り消しになったケースもありました。
現在はセリエAでも導入されていますが、2024-25シーズンからはプレミアリーグとラ・リーガでも導入されることが決まっています。
これによって注目が集まっているのは、“オフサイドトラップ”です。
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ガブリエウ🔴
チームを救った咄嗟の判断!
\#マンチェスター・U の決勝弾を未然に阻止!#アーセナル を救った #ブラジル 代表 #ガブリエウ のオフサイドトラップ🇧🇷📱#SPOTVNOW 無料登録でハイライトを観よう!#プレミアリーグ全試合観られるのはSPOTVNOWだけ pic.twitter.com/fgpVKaTMuM
— SPOTV NOW JAPAN (@SPOTVNOW_JP) September 11, 2023
オフサイドトラップとは、DFラインの最後尾に位置する選手が意図的にDFラインを上げ、オフサイドの反則を誘発させようとする戦術です。
成功すれば良いですが、失敗するとGKとの1対1の場面に直結し、かなりリスクの高い戦術となり、これを使いこなすには、相手のプレーを先読みする戦術眼やDFラインを意識する空間把握能力の高さなど、IQの高さが求められます。
しかし、オフサイドの反則が取られない範囲が広がり、半自動テクノロジーが導入されると、オフサイドトラップを仕掛ける感覚や意識も変化が生じてくるかもしれません。
半自動テクノロジーで副審は不要?
半自動テクノロジーで、オフサイド判定が細かく出来るのならば、もはや副審はいらないのではないでしょうか?
UEFAチャンピオンズリーグでは、今大会より半自動オフサイドテクノロジーが使用されています
コペンハーゲンの得点は約50秒後にオフサイドと修正され、CGアニメーションによりオフサイドの具合が表示されました。副審が判定することの難しさを理解できると思いますpic.twitter.com/bljl8Nl4EX
— 攻劇@23年12月3日で運用終了 (@kogekidogso) September 6, 2022
皆さんは、どう思われますか?
速い試合展開の中で、身体がオフサイドラインから出ているわずかの差を目視で判断するのは限界があります。
とはいえ、副審の役割はオフサイドの判定だけではありません。
主審をサポートする役割として、主審の目の届かないところ(選手同士の衝突や暴言、反則行為など)をよく見て、公正な試合運営を手助けする上でやはり副審は欠かせない存在といえるでしょう。
VARと同じく、テクノロジーはあくまでも審判団をサポートするものです。
今後の課題としては審判団がVARや半自動テクノロジーを利用して、スムーズに試合を進められるかというところにあるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、検討されているオフサイドの新ルールについて取り上げ、半自動テクノロジーの導入による予想される影響についても取り上げてみました。
科学技術の進歩は目ざましいものがありますが、最終的な決定権は主審に委ねられている以上、23-24シーズンのプレミアリーグでもVARでの誤審もあったように、失敗はないとは言い切れません。
このオフサイドルールも、半自動テクノロジーによるサポートはありますが、VARチェックなどで時間をさらに取られる可能性もあり、選手側にも影響が及ぶかもしれませんね。
さらにオフサイドトラップも通用しない可能性もあり、戦術面でも大きな影響があり、DFは新ルールに適応できるか、大きな調整が求められるでしょう。
この変更によって、良い方向へと進むことを願いつつ、今後の進展に注目していきたいですね。
いつもありがとうございます!
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