サッカーファンの皆さん、こんにちは。
約10カ月にわたる長い1シーズンの中で、公式戦無敗をキープし続け、無敗優勝を成し遂げたクラブはそう多くありません。
近年は自国リーグ戦だけでなく、欧州でのコンペティションや代表活動等もあり、戦力を高いまま維持することは至難の業といえるでしょう。
そういった中で無敗優勝という偉業を成し遂げたクラブは、“The Invincibles”(無敵の者たち)と称され、伝説として語り継がれています。
23-24シーズンも、ドイツ・ブンデスリーガでレバークーゼンが第28節終了時点で無敗をキープし、ヨーロッパリーグ、ならびにポカールでも公式戦無敗をキープしています。
バイエルンのリーグ連覇をストップするだけでなく、ブンデスリーガ史上初の無敗優勝の可能性も残っており、新たな伝説として語り継がれていくことでしょう。
それで今回は、欧州またJリーグにおける無敗優勝の歴史を振り返っていきたいと思います。
- 欧州5大リーグにおける無敗優勝
- Jリーグにおける無敗優勝
- まとめ
の順でお伝えしていきます。
欧州5大リーグにおける無敗優勝
プレミアリーグ
プレミアリーグにおいては、シーズン無敗優勝は2回あります。
➀ 1888-89シーズン プレストン・ノースエンド 18勝4分け
1888-89シーズンにおいて、プレストン・ノースエンドはフットボールリーグ(22試合)とFAカップ(5試合)を無敗で終え、2冠を達成しました。
2003-24シーズンのアーセナルでさえ、FAカップでは準決勝敗退となり、試合数の少なさはありますが、イングランドの長い歴史の中でリーグ戦とカップ戦ともに無敗で終えたクラブは、プレストン・ノースエンドのみとなっています。
② 2003-04シーズン アーセナル 26勝12分け
“The Invincibles”と聞いて思い浮かべるクラブと言えば、やはり2003-04シーズンのアーセナルではないでしょうか。
アーセン・ヴェンゲル監督がチームを率い、ティエリ・アンリ、パトリック・ヴィエラ、デニス・ベルカンプ、ロベール・ピレス、フレデリック・リュングベリといった錚々たるスター選手を擁し、サイドからの破壊力抜群な攻撃的なサッカーを中心に、他を寄せ付けない強さを見せました。
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また2002-03シーズンから2004-05シーズンと3シーズンにかけてプレミアリーグで記録した49試合の無敗記録は、未だに破られていません。
残念ながら、この2003-04シーズンの無敗優勝以降、アーセナルはプレミアリーグ優勝から遠ざかっていますが、アルテタ監督の下、久々のリーグ優勝に手が届くのか、期待したいですね。
ラ・リーガ
ラ・リーガにおいては、シーズン無敗優勝は2回あります。
➀ 1929-30シーズン アスレティック・ビルバオ 12勝6分け
ラ・リーガ創設2年目の1929-30シーズン、アスレティック・ビルバオが12勝6分けでリーグ優勝を成し遂げました。
1921年にイングランド出身のフレッド・ペントランド監督が就任すると、中盤でのポゼッションを高め、ショートパスを多用する戦術を取り入れ、チームを強化してきました。
そして1929-20シーズンは、ラ・リーガ1試合最多得点記録(7点)を持つ伝説的なストライカー、バタをはじめ、ラフエンテ、イララゴーリ、チッリ2世、ゴロスティサといった強力なアタッカー陣を擁し、攻撃的な“2-5-3”のフォーメーションを採用し、無敗優勝を成し遂げました。
当時は10チーム制と試合数自体は少なかったものの、バルセロナやレアル・マドリードと互角に渡り合う強さを発揮していました。
② 1931-32シーズン レアル・マドリード 10勝8分け
アスレティック・ビルバオが無敗優勝を成し遂げてから2シーズン後、レアル・マドリードが10勝8分けで無敗優勝を成し遂げました。
当時のチームには、スペインの年間最優秀GKに送られるサモラ賞の元となった、元スペイン代表GKリカルド・サモラなどが在籍していました。
このサモラをはじめ、元スペイン代表DFシリアコやキンコセスを中心に、リーグ18試合で15失点という堅い守備を構築しました。
攻撃陣も、クラブ加入後47試合で50得点を上げ、クラブの史上最速記録を持つ元スペイン代表FWマヌエル・オリバレスなどもいました。
これ以降、ラ・リーガにおいて無敗優勝は成し遂げられていません。
2017-18シーズンのラ・リーガでは、メッシやイニエスタらを擁したバルセロナが開幕から35試合無敗で優勝を決め、無敗優勝の期待も大きくかけられていました。
しかし第37節レバンテ戦で4-5で敗れ、惜しくも無敗優勝を成し遂げることは出来ませんでした。
セリエA
セリエAにおいては、シーズン無敗優勝は2回あります。
➀ 1991-92シーズン ミラン 22勝12分け
世界からスーパースターが多く参戦し、1990年代は世界最高峰のリーグとして名を馳せていたセリエAにおいて、1991-92シーズンにミランが無敗優勝を成し遂げました。
1991-92シーズン
就任1年目のカペッロが率いたACミランは史上初のセリエA無敗優勝
無敗スクデット獲得を達成
前任者のサッキが築いたチームをさらなる高みに引き上げオランダトリオの躍動と共にチームは栄光の道を歩んだ pic.twitter.com/L3GYPC7lfq— サッカー名勝負 (@barsastar) March 14, 2017
1987-88シーズンから指揮を執ったアリゴ・サッキ監督の下、チームに“ゾーンプレス”を導入し、高い位置からのプレッシングサッカーでイタリア国内また欧州で他を寄せ付けない強さを発揮しました。
1991-92シーズンからはファビオ・カペッロ監督が就任し、ファン・バステン、ライカールト、フリットのオランダ三銃士や、バレージ、マルディーニ、アルベルティーニといったイタリア代表戦士を中心に無敗優勝を成し遂げました。
② 2011-12シーズン ユベントス 23勝15分け
2005年のカルチョ・スキャンダルでセリエBへの降格も経験するなど、2000年代中盤から後半にかけて厳しい戦いを強いられていたユベントスに再び栄光を取り戻すべく、現役時代もユベントスでプレーし、“闘将”と呼ばれたアントニオ・コンテ監督が2011年5月に新監督に就任しました。
すると開幕から無敗をキープし続け、9シーズンぶり28回目のスクデット獲得を成し遂げました。
2011-12シーズン
カルチョポリの制裁を受け6年間タイトルを獲れずにいた名門ユベントスは
就任1年目のコンテに率いられ
無敗優勝を成し遂げたシーズン後半に
8連勝を上げスパートをかけ名門復活ののろしを上げた pic.twitter.com/Ld9meTOIAf— サッカー名勝負 (@barsastar) March 14, 2017
シーズン全体を見れば、引き分けが15と多く、一時はミランに首位を明け渡しましたが、セリエAにおける最少失点となる20失点を記録し、ボヌッチやキエッリーニを中心とした堅守で、強さを発揮しました。
このシーズン以降、2019-20シーズンまでセリエA10連覇を成し遂げ、イタリアの絶対的盟主に返り咲きました。
ブンデスリーガ
ブンデスリーガにおいては、シーズン無敗優勝はまだ一度もありません。
2013-14シーズンのバイエルン・ミュンヘンは、ジョゼップ・グアルディオラ監督の下、開幕から無敗をキープし、7試合を残して早々とリーグ優勝を決めました。
しかし、チャンピオンズリーグに備え主力を温存した第29節アウグスブルク戦で0-1で敗れ、2012-13シーズンから続いていた公式戦の無敗記録も53でストップしました。
2023-24シーズンはレバークーゼンが快進撃を見せ、第28節終了時点で2位バイエルンに勝ち点差16をつけ、公式戦無敗記録も41に伸ばしています。
【無敗優勝の可能性も🏆】
負けない #レヴァークーゼン 無敗記録を41試合に。リーグ優勝は決定的だが無敗優勝にも期待がかかる。
Leverkusen has not lost this season. They have extended their undefeated record to 41 games. The league championship is decisive.#Leverkusen #xavialonso pic.twitter.com/yf8VF2UdHh
— Vtg Football 23 (@VtgFootball) April 7, 2024
ブンデスリーガ史上初の無敗優勝、ならびにバイエルンを上回る公式戦の無敗記録を打ち立てることが出来るのか、注目です。
リーグ・アン
リーグ・アンにおいても、シーズン無敗優勝はまだ一度もありません。
2015-16シーズン、イブラヒモビッチやカバーニなどを擁したスター集団、パリ・サンジェルマンは開幕から無敗をキープし、第27節終了時点でリーグ・アンの無敗記録を更新する36試合で無敗を継続していました。
しかし第28節リヨン戦に1-2で敗れ、無敗優勝の夢は潰えてしまいました。
🇫🇷試合結果🇫🇷
パリSG、第28節で今季リーグ初黒星…無敗記録は「36」でストップhttps://t.co/XLtNkBPhIE
リーグ・アン第28節で、リヨンとパリ・サンジェルマンが対戦しました。 pic.twitter.com/Sxwus6hc0I— サッカーキング (@SoccerKingJP) February 29, 2016
リーグ・アンのみならず世界でも屈指のスター集団だったパリ・サンジェルマンでさえ、無敗優勝を成し遂げていません。
今後、リーグ・アンで無敗優勝を成し遂げるのはパリ・サンジェルマンか、それとも別のクラブなのか、注目ですね。
Jリーグにおける無敗優勝
Jリーグにおいても、シーズン無敗優勝はまだ一度もありません。
現在、Jリーグ(J1カテゴリー)において最長の無敗記録を保持しているのは、2020シーズン第29節から2021シーズン第25節にかけて達成した川崎フロンターレの30試合です。
2020シーズンは、従来の主力組に加え、大卒ルーキーだった三笘薫(現ブライトン)や旗手怜央(現セルティック)が主力に定着し、Jリーグ記録を更新する“シーズン12連勝”を記録し、4試合を残して史上最速でリーグ優勝を決め、勝ち点も史上最多の83を積み重ねました。
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— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) November 25, 2020
2021シーズンも、開幕からその強さを遺憾なく発揮し、無敗をキープしてきましたが、東京オリンピック終了後に田中碧(現デュッセルドルフ)や三笘薫ら主力が抜け、第26節でアビスパ福岡に敗れ、開幕からの無敗が25でストップしました。
近年は、ACLなどの過密日程や夏場に主力選手が海外クラブに引き抜かれることも多くなり、1シーズン通して強さをキープするのは難しくなっています。
2024シーズン(第7節終了時点)は、サンフレッチェ広島とセレッソ大阪が無敗をキープしていますが、どうなるでしょうか、注目です。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、欧州5大リーグならびにJリーグにおける無敗優勝の歴史を振り返ってみました。
国内だけでなく、欧州またアジアでのコンペティションもあり、過密日程や長距離移動を強いられる中、高いチームパフォーマンスを維持するのは困難となっています。
単に個の能力の高さだけでなく、チームマネジメント力の高さも求められ、選手だけでなく監督もレジェンドとして語り継がれています。
23-24シーズン、レバークーゼンが新たに“The Invincibles”として、歴史に名を刻むことになるでしょうか?
そしてJリーグでも無敗優勝を成し遂げる伝説的なクラブが出てくるのでしょうか?今後も楽しみですね!
いつもありがとうございます!
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