UEFAネーションズリーグはいらない?仕組みや批判をユーロとの違いで解説!

サッカーファンの皆さん、こんにちは。

 

FIFAワールドカップ予選、EURO(欧州選手権)に次ぐ第3のUEFA主催の国際大会として、2018年から始まった“UEFAネーションズリーグ”

2018年から2019年にかけて行われた第1回大会ではポルトガルが優勝し、2020年から2021年にかけて行われた第2回大会ではフランスが優勝しました。

2022年のカタールW杯の前から第3回大会も始まり、前回王者のフランスやイングランド、ドイツといった強豪国がリーグの下位に沈むなど、波乱も起こっています。

ヨーロッパサッカー全体の底上げを図るという創設時の目的は果たされているかのように見えますが、その反面、様々な側面から批判や影響が出ているようです。

 

ということで今回は、

  • UEFAネーションズリーグの仕組み
  • UEFAネーションズリーグの存在意義
  • UEFAネーションズリーグにおける批判
  • まとめ

の順でお伝えしていきます。

UEFAネーションズリーグの仕組み

UEFAネーションズリーグとUEFA欧州選手権(UEFA Euro)の違いを大まかに言うと、

EUROは“短期間での一発勝負で欧州最強を決める大会”

に対し、

UEFAネーションズリーグは、“1年から2年にわたる中長期間で欧州最強を決める大会”

とまとめることが出来るでしょう。

 

UEFAネーションズリーグは、UEFAに加盟する全55カ国をUEFAランキングに基づき、リーグAからDまでに分け(リーグA~Cは各16カ国、リーグDは7カ国)、さらに4カ国ごとにグループ分けして、成績を競い合う大会です。

試合日程は、FIFAが定める国際Aマッチデーに沿って行われるので、いわば親善試合がUEFAネーションズリーグに取って代わったといった感じですね。

 

予選から本戦へといったEUROやワールドカップとは異なり、UEFAネーションズリーグは既に所属するリーグのカテゴリーがある程度分かっている状況ですが、グループ最下位、またグループ最上位になると、降格・昇格があるという極めてシビアな大会ともなっています。

 

また、ワールドカップ予選やEURO予選にも影響を与え、ワールドカップ予選やEURO予選で下位に沈み、予選敗退となったとしても、ネーションズリーグの各リーグ上位の成績を収めていれば、本大会出場権をかけたプレーオフに参加できるという規定になっています。

これまで出場権には遠く手が届かなかった小国にも可能性が出てきたというメリットがある一方、強豪国が仮に予選グループで絶不調になって、これまでのレギュレーションではプレーオフにも進出できなかった成績でも、ネーションズリーグで上位のリーグに属する、またグループステージで好成績を収めていれば、ワールドカップのプレーオフにも進出できるという強豪国びいきといったデメリットの側面もあります。

 

 

 

UEFAネーションズリーグの存在意義

こちらも分かりやすく言うと

建前としては、「ヨーロッパサッカー全体の底上げを図る」といった目的がありますが…
本音としては、「親善試合の価値の上昇を図る」といった背景があるでしょう。

 

長く過密な日程をクラブで強いられている選手たちにとっては、ワールドカップやEUROの予選と比べると、これまでの親善試合は大きく士気が下がり、あまり意味がいないといった声も各代表から出てきていました。

そこで、公式戦となるUEFAネーションズリーグを国際Aマッチデーに組み込むことによって、選手の士気を高めると共に、真剣勝負をすることにより代表チームのレベルアップを図るという目的で創設されました。

 

また観客動員やTV放映権収入といった経済効果も生まれ、UEFAでも下位の代表チームにも収益を配分できるというメリットも狙っているようです。

2022年6月から始まった第3回大会のリーグAグループ3では、イタリア、ドイツ、イングランド、ハンガリーという“死の組”が生まれ、イングランドが1勝も挙げられずグループ最下位に沈み、次回大会はリーグBへの降格が決定してしまいました。

ハンガリーの予想外の快進撃もありましたが、ある程度調整期間がある大会でも修正が利かなかったという点で、驚きもありましたね。

 

UEFAネーションズリーグでは、かつて2004年のEUROで快進撃を見せ、見事優勝を手にしたギリシャ代表のように、短期間で勢いに乗りタイトルを獲得するチームは出にくいと思われますが、グループステージで強豪国が下位に沈んでいるところからすると、欧州全体の底上げには、ある程度成功しているかのように見えます。

 

 

 

UEFAネーションズリーグにおける批判

新しい試みには批判はつきものです。

根本的なデメリットとしては、単純に試合数が増えて、選手が疲弊してしまう事があります。

所属クラブで国内リーグ戦、カップ戦だけでなく、チャンピオンズリーグなど欧州カップ戦もある過密日程を強いられている選手や監督たちにとってはたまったものではないですよね!

 

リバプールユルゲン・クロップ監督も、UEFAネーションズリーグ創設当初から「世界で最も無意味な大会だ。」と批判し、昨シーズンのFAカップ決勝前の会見でも「今でもこの大会がフットボール界において最も愚かなアイディアの1つだと信じている。なぜなら、一部の選手は70試合以上をプレーしてきた。クラブで63試合や64試合、それに代表戦を加えて75試合になる。かなり狂っているね。」と痛烈に批判しています。

週に数試合もこなすフィジカル面だけでなく、常に緊張感のある試合に臨まなければいけないというメンタル面でのコンディション管理の難しさは、UEFAネーションズリーグにおける批判の一つとして挙げられます。

 

また、国際AマッチデーにUEFAネーションズリーグの日程が組み込まれることにより、欧州同士の試合が続き、他の大陸の代表チームとの親善試合を組むことが出来ないというデメリットもあります。

日本代表もこの影響を大きく受け、2018年7月から発足した森保一監督体制下では、カタールW杯までの4年間で欧州勢と対戦できたのは、2021年6月のセルビア代表のみでした。

2023年3月の代表戦もウルグアイ、コロンビアと南米勢との対戦となり、今後もその影響を大きく受けそうです。

 

そして近年高騰し続けるTV放映権料をはじめ、経済効果を生み出すためだけの新大会創設といった批判も見られます。

どうしても「お金」のイメージは拭えないですね。

UEFAネーションズリーグという名称もあるせいか、代表チームのクラブチーム化が進み、選手たちにはクラブだけでなく、代表でもリーグ戦をしなければいけないのかという、大きなプレッシャーがのしかかっています。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか。

 

今回は、“UEFAネーションズリーグはいらない?仕組みや批判をユーロとの違いで解説!”と題して、UEFAネーションズリーグの仕組みや存在意義などをEUROと比較しながらお伝えしました。

 

日本代表からすると、国際Aマッチでに行われるUEFAネーションズリーグによって、欧州の強豪国との強化試合を組むことが出来なくなったという弊害もあります。

とはいえ、このネーションズリーグの創設によって、常に世界トップクラスの真剣勝負が見られるというメリットもありますね。

 

選手たちは過密日程と大きなプレッシャーを強いられ、大変だと思いますが、ここで大きく活躍した選手がさらに注目され、スターダムへとのし上がっていくのを見るのも楽しみですね。

意見は分かれますが、ヨーロッパ各国の最新の実力差を知る上で、UEFAネーションズリーグは良い大会だと個人的には思います。

今後も真剣勝負が繰り広げられ、歴史に残る大会へと発展してほしいですね。

いつもありがとうございます!

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